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『99.9』第3話、いつも以上に小ネタ炸裂! 結局「モアイ」と「モヤイ」の違いとは?

2018年01月29日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 元裁判官の尾崎舞子(木村文乃)が正式に斑目法律事務所の刑事専門ルームの一員になり、早速担当弁護士として動き出した日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』第3話。先週の第2話で、SEASON Iから持ち越された検察との対決が収束したことで、今度は尾崎が歩んできた裁判官の世界に踏み込んでいく。いわばSEASON IIの本題がようやくスタートするエピソードになったのではないだろうか。


参考:『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』第3話ギャラリー【写真】


 これまで法律を題材にしたドラマでも、あまり描かれてこなかった裁判官の世界。甲本雅裕演じる裁判官・遠藤啓介が、松尾諭演じる裁判官・山内徹に語りかける「ひとつの事件にのめり込み過ぎるな」という言葉に象徴されるように、いかに案件を多くこなすかというスタンスに加え、暗黙のルールやしきたりの数々。同じ司法の世界でありながらも、弁護士とはまったく違う世界として描き出されていく。


 本筋になったのは、佐田篤弘(香川照之)が担当していた殺人事件の弁護。人気ロック歌手・ジョーカー茅ヶ崎(宇崎竜童)が、違法賭博をしていたことをジャーナリストから強請られ、その挙句に殺したとの疑惑をかけられていた。そんな折、その事件の目撃者だった女性・石川敦子(安達祐実)が襲われて重傷を負う。凶器に指紋が付いていたことを証拠に、茅ヶ崎は殺人未遂で逮捕されてしまうのである。


 佐田がSNSで批判されたことに尻込み、尾崎を担当弁護士に任命。そこに深山大翔(松本潤)が加担して、刑事専門ルーム全員で見事なチームプレーを披露していくのだ。いつものように出身地を訊くわけでもなく、真面目に事件当日の状況を訊く深山の姿。後半の場面でダジャレに低評価を付けられて「やっぱり君とは合わない」とぼやく深山だが、生真面目で理性的な尾崎とは、SEASON Iのヒロイン・立花彩乃(榮倉奈々)よりも良いバランスを保ったコンビネーションを見せている。


 そして今回はいつも以上に小ネタが炸裂。依頼人である茅ヶ崎を演じた宇崎のダウン・タウン・ブギウギ・バンドを意識した音楽事務所の名称に、代表曲「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の歌詞を使った台詞。さらに安達が襲われる直前に寝言で『家なき子』の有名なフレーズを言いかけるという、いつも以上にキレのあるネタの数々。


 そして極め付けは、モアイ像の写真立てに記されたダジャレが事件解決の鍵となること。SEASON Iから毎回登場してきたダジャレの数々が、重要な意味を為したことに、正直驚かされた。(個人的には大泉洋を意識した「王泉幼稚園」の名称と、それを変えたときの名称が非常に気に入っているが)


 ちなみに劇中で何度も触れられていた「モアイ像」と「モヤイ像」の違いだが、前者はイースター島にある凝灰岩で作られた巨大な石像で、10世紀ごろに作られたとされているが、様々な謎が残されている。日本にも多くのレプリカが作られているがモヤイ像とは全くの別物で、こちらは東京の新島で取られるコーガ岩で作られたもの。モアイ像をイメージしたものから、様々な形のものが存在しているようだ。(久保田和馬)