1月27日にSS9~13の競技3日目が行われたWRC世界ラリー選手権第1戦モンテカルロ。3台のトヨタ・ヤリスWRCで挑むトヨタ勢は、オット・タナクが総合2番手をキープするとともに、チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラが総合3番手に順位を上げている。
フランス・ギャップに設けられたサービスパークの南側エリアで争われたラリー・モンテカルロの競技3日目。この日は前日夜から降り出した雪の影響もあり、オープニングのSS9、続くSS10は雪で滑りやすいコンディションとなった。
前日、総合首位のセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)に14.9秒まで迫っていたタナクだが、SS9ではオジエに1分18秒4まで差を広げられてしまう。
しかし、続くSS10でタナクはマシンのダンパーに不調を抱えながらもステージ最速タイムを記録。サービスでトラブルを解消して挑んだSS11ではステージ2位以下を15.3秒引き離す走りで、今大会4度目のステージ優勝を飾った。
その後も攻勢を緩めなかったタナクは、最終的にオジエとのギャップを33.5秒まで縮めて、競技3日目を走り終えている。
「気持ちよくかつクレバーに、そしてコースから外れないように注意しながら、自分のペースを保つことだけを考えて走り続けた」とタナク。
「ヤリスWRCでの最初のラリーで、現在の順位につけていることにとても満足しているから、リスクを冒してまで順位を上げようとは思っていない。また、チームとしてもそのほうが良いと思うんだ」
競技2日目を総合5番手で終えていたラトバラは、SS9でステージ3位を獲得。上位を走っていたダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)がクラッシュで後退したこともあり、表彰台圏内の総合3番手に浮上した。
SS10以降は危なげない走りで着実に走りきり、トップのオジエと1分32秒7差、前のタナクと59.2秒差につけている。
残るエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS11でパンクがあり、ステージ途中でタイヤ交換を余儀なくされ、一時はクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)に総合4番手の座を奪われてしまう。
しかし、ラッピはSS13で反撃に転じると、わずか1.6秒差でミークからポジションを奪い返している。
■「ラッピが冷静さを保てたことは大きな収穫」
スポーティング・ディレクトターを務めるカイ・リンドストロームは「今朝の極めて難しいコンディションのなか、我々のチームの全ドライバーは素晴らしい仕事をしてくれた」とコメントした。
「エサペッカはパンクでタイムをロスしたが、それでもなんとか4番手まで挽回した。彼があのような状況でも冷静さを保てたのは、大きな収穫だと思う」
「もちろん、タナクは今日も非常に速く、ラトバラはいいドライブをできている。明日に関して唯一分からないのは天気がどうなるかだが、勝負は最後のタイムコントロールを通過するまで続くんだ」
28日の競技最終日はモナコ公国の北側に位置するフランスの山岳地帯でSS14~17の4SSが行われる。このうちSS14とSS16ではつづら折れのコーナーが続くチュリニ峠が舞台となる。また、最終SS17はステージ上位5人にボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。
4SS合計の走行距離は63.98km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は224.58kmとなっている。