マクラーレンF1チームでエグゼクティブディレクターを務めるザック・ブラウンは、インディカーで活躍するスコット・ディクソンとジョセフ・ニューガーデンには、F1でも走れるだけの“卓越した才能がある”と賞賛している。
最近、ハースF1代表のギュンター・シュタイナーは、現在F1で高い競争力を持ってレースを戦えるアメリカ人ドライバーはひとりもいないと発言した。ブラウンはこれに対して反対意見を述べている。
シュタイナーの発言は、インディカーのコミュニティから反発を受けた。25日にデイトナで行われた記者会見において、ブラウンはシュタイナーの意見に反対し、警笛を鳴らしている。
「最も問題なのは、テストが不足していることだ。プレシーズンテストは8日間しかなく、マシンも1台しか使えないため、ドライバーをローテーションするしかない。フェルナンド(・アロンソ)とストフェル(・バンドーン)の4日間を減らすことは、理にかなっていない」
「つまり規則が変更されるまでは、F1やF2以外のカテゴリーで走るドライバーがF1に食い込むことは難しいということだ。彼らはとても不利な状況にある」
「このシステムが、誰か他のドライバーを連れ込むことを不可能にしている。トロロッソが、ブレンドン・ハートレーのようなドライバーを起用したのは素晴らしいことだと思う。決定にはリスクがあったはずだが、彼はすべてのコースを知っている」
「特に、ジョセフ・ニューガーデンには素晴らしい才能があると、私は思っている。そしてニュージーランド人のスコット・ディクソンもだ」
2017年シーズンにインディカーでチャンピオンに輝いたニューガーデンは若干27歳で、トロロッソの新人ハートレーと同い年だ。しかしディクソンは37歳であり、アロンソよりもひとつ年上である。
ブラウンは年齢を気にかけてはおらず、アロンソとディクソンには共通する部分が多くあると考える。ユナイテッド・オートスポーツとマクラーレンのボスである彼は、以下のように述べた。
「ドライバーは最終的にモチベーションを失い、そのことに捕らわれてしまうものだと思っている。例えばミハエル・シューマッハーは、40代になっても非常に高い競争力を持っていた」
「フェルナンドも同じタイプだ。フェルナンドはこれまでと同じだけの良いドライビングをしてきている。彼が今年の終盤に37歳になるからといって、タイムが遅くなるようなことはないと思う」
「スコット・ディクソンはフェルナンドを思い起こさせる。素晴らしく能力があって、熱心で、速さもある。きっとF1に乗っても競争力を発揮できるだろう」