どんなときに「映画を観に行こう」と思いますか? 好きな俳優が出ている作品だから、話題作だから、友人に誘われたから、さまざまな理由がありますよね。しかしいま一番ネット上で話題になっている映画といえば『バーフバリ』ではないでしょうか。ツイッターでは、
「バーフバリ、最の高だった。王道展開の前ではいかなる物も無力。 整合性も、時代考証も、物理学もだ!!!」
「バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!」
など興奮した様子が見られます。さらには「ここ数日悩まされていた腰痛が上映開始と同時に消えた」「わかる!肌の調子がいい!あれはバーフバリのお陰だったのか…!」などの声も寄せられています。どういうことだ。
しかし観た人の感想が大体「バーフバリ!!!」。いまいちどんな映画かわからないので、観る者全員の語彙力を奪う映画『バーフバリ 王の凱旋』を実際に観てきました!(文:市ヶ谷市子)
王を称えよ! 度肝を抜くシーンの連続でアドレナリンが出まくり
同作は『バーフバリ 伝説誕生』(2015年公開)の続編で、古代インドに栄えたマヒシュマティ王国を舞台に、次期国王と期待された英雄アマレンドラ・バーフバリと、その息子シヴドゥ(=マヘンドラ・バーフバリ)の親子2代に渡る叙事的映画。上映時間は2時間21分に及びます。
筆者は丸の内TOEIで平日18時の上映回を観ました。にも関わらず中央~後方の座席はほぼ埋まっていました。仕事帰りの社会人が多いようです。最初は「これ続編だし、2時間以上座りっぱなしで大丈夫かな……?」と心配でしたが、全部杞憂でした。
1.家族喧嘩のスケールがデカすぎて逆に何も考えなくていい
まず冒頭で前作の説明だけでなく、本作のあらすじまで教えてくれます。ざっくり説明すると「王族の嫁姑問題と兄弟喧嘩の話」。昼ドラ的な人間関係で胸が苦しくなる場面もあるのではと思ったのですが、基本的に登場人物は「ムカつく、あいつ排除!」で動いています。爽快。複雑な感情に想いを馳せる必要がありません。
もう筆者も「確かにムカつくけど、そう思う自分が人としてダメなのでは……」とか思いません。私生活でもバーフバリスピリットを持って強く生きていける気がしました。
2.主人公が強くて優しくて信じられる! 王を称えよ!
無条件に信頼できる人がいると、本当に心強いですよね。バーフバリは強くて優しくて妻想いで民衆のこと考えている、生まれながらの王様。鬼のように強いし、軸もぶれないので「この人がいれば大丈夫!」と思ってしまいます。
この安心感が全編を通して感じられるので、映画を観るときの「こわい、本当に大丈夫……?」という変な冷や汗がありません。アトラクションに乗って2時間21分を「バーフバリ最高! FOOOOO!」と駆け抜けていく感じです。
3.スクリーンいっぱいの壮大映像でアドレナリン爆上がり
近年、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『HiGH&LOW』など、迫力のある映像や展開でアドレナリンが出まくる"祭り映画"が流行っています。『バーフバリ』もスクリーンいっぱいに倒壊・崩壊・壮絶なアクションシーンが映し出されます。
バーフバリはどんなに苦しい状況でも、「まじかよ!」という戦法で快進撃を続けます。牛の角に火を着けて大群で爆走させるとか、ヤシの木をたわませてバカでかい城壁を飛び越えるとか、想像のはるかに上を行く展開にテンション爆上がりです。
4.鑑賞後、会場の謎の一体感が気持ちいい
上映終了後、会場では「すごい……」「やばいかった……」という声しか耳に入ってきませんでした。同じ映画を観て、同じ感動を覚えていることがとても気持ちよかったです。自然と拍手が沸き上がる上映回もあるようです。
「ネットで口コミが広がって、興行収入5000万円を超える勢いです」
同作では、映画を「観賞した」というより「体感した」という感覚が味わえます。画面いっぱいに広がる古代帝国の城や都市、広大な大地を見続け、親子2代に渡る物語を見届け、鑑賞後は「旅行に行ってきました」というリフレッシュ感が残りました。体の悪いところ全部デトックスした感じ。
この心地よい疲労感から、筆者は1か月ぶりに熟睡。高橋一生を付き合うという最高な夢を観て、目覚めもスッキリでした。久しぶりに「今日もがんばるぞ!」という気分で仕事に行きました。
配給を行うツインの担当者は「12月29日に公開されて現在、興行収入5000万円を超える勢いです。前作DVDが売れているのである程度はと思っていましたが、予想以上の反響です」と話します。
「度肝を抜く展開やアクションシーンが満載で熱狂的なファンやリピーターも少なくありません。それだけでなく予告編で『なんだこれは!?』と思って観に来た人が感想をSNS投稿し、それを見て気になった人が観に行くという、口コミで広がっていきました」
また同作は、声を出しながら観賞できる"絶叫上映"も実施され、同担当者は「バーフバリは映画の枠を超えた"体感型"の作品。みんなで騒ぎながら観る、新しい楽しみ方にも適しているようです」といいます。
"体感型"映画の『バーフバリ 王の凱旋』。一度、劇場の大スクリーンで古代インドの風を感じてみてはいかがでしょうか。現在、新宿ピカデリーほかにて公開中。