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『VS嵐』は嵐とゲストの魅力を相互に引き出す? 大野智と藤本敏史のダンス絡みを機に考察

2018年01月27日 08:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 嵐と藤本敏史(FUJIWARA)が、『VS嵐』(フジテレビ系)で見せる絡みがおもしろい。2018年1月25日放送回では、藤本とペアを組むことになった大野智が“藤本のことが見えていない”という体で大野が藤本をイジり出すという場面があった。


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 藤本は「俺を見てよー 俺ここにいるからー」と大野の前に乗り出して猛烈アピール。その際に「ここにいるよ Baby boy」と叫ぶと、嵐のメンバーたちは一同大爆笑。藤本は青山テルマの名曲「そばにいるね」を引用しながら、なんとか大野の気を引こうとしたのだ。さらに「一緒に踊ろう」と大野を強引に誘う藤本。嵐のダンスが大好きとのことで「Monstar」の一部のダンスを踊り始めた。ユニークで特徴的な振り付けをバッチリ決めると、松本潤が「やってない、やってない。この人歌ってるから」と瞬時にフォロー。ダンスは決まっていたが、藤本がダンスをコピーしていた部分は大野がソロを務めている部分だったのだ。


 見事なチームワークで大野を援護する嵐にめげず、藤本は続けて「I seek」のダンスを踊ることを提案。正直、大野は藤本のようなテンションの高さとは真逆な雰囲気を持つ人物。藤本に導かれるようにして話がどんどん進んでいく状況を心配そうに見つめていた。しかし藤本の熱意が伝わったのか、大野は実際にキレキレに踊る藤本の存在を認め、自ら「『つなぐ』やって」とリクエストするまでに。藤本はダンスを再現しながら「これリーダー(が振付)やったんや。シンパシー感じる」と「つなぐ」の振付を絶賛。踊りながら「嵐より嵐よ、今俺」と無邪気に語っていた。


 実は、嵐ネタでボケる藤本をメンバーたちでツッコむというスタイルは、『VS嵐』の中でも鉄板になりつつある。中でも櫻井VS藤本という構図は、これまでにも何度か目撃したことがあった。


 まずは、2015年7月30日放送の『VS嵐』での櫻井と藤本によるやりとり。藤本がゲームに挑む前、「この年なると、ちょっとした動きでケガするときがあるから」とゲームに対する不安をのぞかると、30代と比べて15kg体重が増えたことを明かし「だからちょいと重いのはBoo!」と、嵐のデビュー曲「A・RA・SHI」の歌詞にかけたコメントをしたのだ。この唐突なボケに嵐のメンバーたちが呆れた素振りを見せると、藤本は「欲しそうな顔したから! 何か言わなアカンのかな思うて!」と反論。そこで、櫻井が「That’s all right! That’s all right!」と「A・RA・SHI」の歌詞の一節を持ち出して藤本を制していた。


 2016年2月5日放送の『VS嵐』でも櫻井と藤本が対峙。嵐のファンクラブ会員でファン歴10年のトレンディエンジェル・斎藤司が、コントの出囃子に嵐の「CARNIVAL NIGHT part2」を使用していると紹介されると、藤本が「FUJIWARAの出囃子も『愛と勇気とチェリーパイ』やけどな」と1stアルバム『ARASHI No.1~嵐は嵐を呼ぶ~』の収録曲を用いているというマニアックなウソをついたのだ。実際に客席全体のリアクションもイマイチで、櫻井が「古すぎてみんながみんな知らないから半分ぐらいでしたよ! “えー!”も」とフォローしていたこともあった。ここまで細かなネタを毎度仕込んでくる藤本のプロ意識と、アラシックぶりには感動すら覚える。


 藤本の例は一例で、様々なゲストたちとの掛け合いを楽しむことができる『VS嵐』。お笑い芸人はもちろん、役者からスポーツ選手まで、幅広い著名人たちがゲスト出演する同番組も、2018年4月で放送10周年を迎える。この番組を通して、嵐のメンバーたちのトークスキルには間違いなく磨きがかかった。ゲストの魅力を引き出しながら、一方でゲストによって嵐の魅力も引き出される。末長く愛され続けてほしいと願う番組の一つである。(竹上尋子)