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狂った宇宙人から、ひたむきな少女まで! 『もみ消して冬』山田涼介が恋する恒松祐里に注目

2018年01月27日 06:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 日本テレビ土曜22時枠で放送されているドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』に、Hey! Say! JUMPの山田涼介演じる北沢秀作が、ひそかに想いを募らせる女性警察官・池江里子として出演中の恒松祐里。2018年、出演作が目白押しで、今一番目が離せない女優だ。


参考:恒松祐里 ほか画像


 7歳の頃より子役として活動を開始し、すでに10年以上のキャリアを持つ恒松。メインキャストとして彼女がその存在の大きさを感じさせたのは、仲村ナズナ役を好演した『くちびるに歌を』だ。オーディション合格後、仲間たちと半年間の合唱練習を経て挑んだこの役で、「父親に捨てられ、男性を憎む」という思春期の少女の複雑な心の揺れを繊細に表現しながら、限られた青春の時間を、“いまこの時にしかできない”合唱に情熱的に打ち込む姿を見せた。


 それから2年後の2017年、佐藤勝利と橋本環奈が主演を務めた映画『ハルチカ』の芹澤直子役では右耳に難聴を抱えたクラリネット奏者を演じた。しかめっ面ともとれる大人びたクールな表情に、時おり見せる少女の瞬間が魅力的であった。さらに、つづく『サクラダリセット 前篇・後篇』では、金髪と赤い瞳の岡絵里役を好演。エキセントリックな高笑いに惹きつけられるこのキャラクターは、彼女にとってひとつの新境地とも呼ぶべきものであった。


 そしてなんと言っても観客だれしもの度肝を抜いたのが、映画『散歩する侵略者』で演じた立花あきら役だ。“侵略者”のひとりとして、この映画における活劇パートを堂々と担い、慄然とさせられたのは筆者だけではないはずだ。自らの身体を駆動させることで人間という存在を把握していくキャラクターを、ひょうひょうと体現し強烈な印象を残した。また、浜辺美波が主演した、麻雀マンガ『咲-Saki-』の実写化プロジェクト第2弾である『咲-Saki-阿知賀編episode of side-A』が、昨年末からのテレビ放送につづいて映画も封切られたばかり。恒松は今回の主人公・高鴨穏乃(桜田ひより)の幼なじみ・松実玄役を演じ、透明感あふれる雰囲気に柔らかな黒髪をなびかせて、メンバーを穏やかに支える。個人にフォーカスするのではないこういった作品でも、集団の中で器用な振る舞いを見せている。


 そして本作『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』で恒松が演じる池江役は、秀作(山田)が務める警視庁の同僚である女性警察官という役どころ。彼女はたびたび秀作に笑顔を送るのだが、懸命に笑顔をつくろうとするのではなく、どこか無防備な、クシャッとした笑顔がたまらない。彼女の笑顔が自宅のテレビ画面いっぱいに大きく映し出されると、つい思わずふっと微笑み返してしまう、まさにそんな笑顔である。


 家族のドタバタコメディ的な作品である本作において、今のところはまだ、“主人公・秀作の気になる美人警察官”というポジションにおさまっている恒松だが、第2話で彼女が山田に向けていた視線は、セリフが伴わないぶん謎めいていて、今後確実に何かあることを予感させる。


 そして映画ファンとしては、クリーニング屋・手毛綱美鎖夫役で出演するアンジャッシュの児嶋一哉との直接の共演を、ひそかに期待しているところである。両者は先述した『散歩する侵略者』でも共演し、相性の良い見事なアクションを披露。か弱そうに見えた美少女が、大の大人を平然と投げ飛ばすさまは、とても豪快で、2人の熱の入りようと恒松の身体能力の高さと柔軟性に圧倒される名場面として脳裏に焼き付いている。2人が並ぶ姿もぜひとも観たい。


 『虹色デイズ』や『3D彼女 リアルガール』の公開が控えるこの2018年、恒松は20歳を迎える。いますでに女性警察官を演じているように、演じるキャラクターの年齢や職業の幅も今後ますます広がってくるはずであり、さらなる飛躍が期待される。伸びしろは途方もなく、恐ろしいほどあるだろう。


(折田侑駿)