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IMSA:マツダ、走行初日結果に手応え。「ドライバーが攻められるクルマになった」

2018年01月27日 00:31  AUTOSPORT web

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77号車マツダはFP2の途中、テレメトリーにトラブルの予兆がみられたことから以後の走行をキャンセルした。
アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開幕した『第56回ロレックス・デイトナ24時間』は1月25日、フリープラクティス(FP)と決勝のグリッドを決める公式予選が行われ、マツダチーム・ヨーストは55号車マツダRT24-P DPiが総合9番手となるタイムをマーク。僚友の77号車マツダはトラブルの影響で走行をキャンセルしている。

 アウディとともに2000年代のル・マン24時間を席捲した名門、ヨースト・レーシングとタッグを組み2018年のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップに復帰したマツダチーム・ヨースト。

 チームはヨーストとの提携を発表した昨年7月以降、同年にデビューしたマツダのDPiマシン『マツダRT24-P DPi』の改良のためIMSAシリーズへのフル参戦を取りやめ、集中的な開発を進めてきた。
 
 外見上、大きな変更点はみられない2018年型のマシンだが、空力性能の見直しや冷却性能の改善などがなされており、マシン内部では前後サスペンション機能およびサスペンションジオメトリの刷新、ボディ各部の徹底した軽量化など、大きな進化を遂げているという。
 
 約半年ぶりにシリーズに復帰した2018年シーズンの開幕戦で「当然、デイトナ初勝利を狙う」と語ったマツダ・モータースポーツのジョン・ドゥーナン代表は、改良型マツダRT24-P DPiは「常に悩まされてきたオーバーヒート傾向を解消し、ハンドリングもかなり改善されている」とコメント。
 
「また、これまではシャシー特性とサスペンション性能のバランスが時にかみ合わず、コーナリング中にアンダーステアから突然テールが流れ出す“スナップオーバー”となることがあったが、改良型は素直なハンドリングに生まれ変わった」

 この結果、「ドライバー達は『クルマが操りやすくなり、自信を持って攻めていけるようになった』と話している」と2018年型の進化を評している。
 
 そんな最新型マツダDPiを駆るドライバー陣は、55号車マツダを駆るジョナサン・ボマリート/ハリー・ティンクネル/スペンサー・ピゴット組と、77号車マツダに乗り込むオリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス/レネ・ラスト組の2組計6名。
 
 このうち、インディカードライバーのピゴットと、2017年のDTMチャンピオンであるラストは長距離レースで起用する第3ドライバーとして招聘されている。
 
■予選9番手もギャップは小さく、予選後のFP4でも好ペースを披露

 新生マツダとして臨んだ走行初日、最初のプラクティスでチームはいきなり総合トップタイムをマーク。ラスト駆る55号車マツダの首位発進に、マネジメントディレクターを務めるラルフ・ユトナー氏は、まだ始まったばかりだからと前置きしながらも「良いスタートだ」と表情を緩ませた。
 
 しかし続くFP2では、ライバル勢もタイムを伸ばしてきただけでなく、ここまで順調に走行を続けてきた77号車マツダにトラブルが発生してしまう。チェックのためセッション後半の走行を取りやめた77号車マツダは結局、リヤセクションをオーバーホールすることとなり、この日の走行をキャンセルせざる得なくなってしまった。
 
 一方、1台で公式予選を迎えた55号車マツダはボマリートをコースに送り出す。昨シーズンからマツダRT24-Pを駆るボマリートは、果敢なアタックで1分36秒633というトップから0.550秒差のパーソナルベストをマークするも結果は総合9番手に。上位10台が0.8秒以内にひしめく接近戦の中に割って入った。
 
 また、日没が迫る現地18時30分から行われた4回目のフリープラクティスでは決勝を見据えたセッティングを探るなか、ティンクネルのドライブでトップに0.3秒差に迫る総合4番手タイムをマーク。昨年は悔しい結果に終わったデイトナでのリベンジに期待がかかる。
 
 トラブルが発生した77号車マツダは後方からのスタートとなることが予想されるが、2台揃って迎える2018年のデイトナ24時間のスタートは27日(土)14時40分(日本時間(日)4時40分)に切られる予定だ。