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Diorが創るシュルレアリスム空間 クチュールショーと仮面舞踏会の関係性は

2018年01月26日 20:03  Fashionsnap.com

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「ディオール(Dior)」が2018春夏 オートクチュール コレクションを発表した。今シーズン、アーティスティック・ディレクター マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が注目したのは、アルゼンチン人の画家レオノール・フィニ(Leonor Fin)。コレクションのテーマ性、仮面を愛したというフィニにちなんで、ショー終了後のロダン美術館では壮大な仮面舞踏会が開かれた。

 2018春夏 オートクチュール コレクションの着想元となったのは、シュルレアリスム運動。その中でもカリスマ性を示したとマリア・グラツィアが定義づけるアーティスト フィニは、創業者クリスチャン・ディオールのギャラリーで自身初の展覧会を開催するほか、プライベートでもディオールを身にまとうなど、メゾンとの関わり合いが深い人物だった。彼女の「唯一、人生において避け難き演劇性というものに興味をひかれるのです」という言葉をピックアップし、マリア・グラツィアはオートクチュールのショーに向けてシュルレアリスム運動の本質を独自に探求したという。
 ロダン美術館の庭園にはオートクチュール ショーのインスピレーションと呼応したファンタスティックなセットが出現し、夢想的な巨大チェッカーボードがゲストたちを出迎えた。目や耳といった顔から切り取られたパーツや腕が天井から吊るされたショー会場では、ブラックの刺繍が施されたホワイトのイブニングドレスや、鳥かごをモチーフにしたラインが身体を包み込むメッシュドレスなど、ブラックとホワイトを基調に幻想のモチーフやディテールが散りばめられたコレクションを展開。終盤には紳士服のファブリックを取り入れたというブラックスーツのシリーズやブラックドレスにアイマスクを着けたモデルが続き、続くパーティーへと誘った。仮面舞踏会にはショーに引き続いて出席したセレブリティらがオリジナリティ溢れる華美なアイマスクを身につけて楽しんだほか、ウィロー・スミスがサプライズパフォーマンスを披露するなど華やかな一夜となった。