IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの開幕戦デイトナ24時間を控えたレースウィークの月曜に、2017年IMSA王者のジョーダン・テイラーが渡豪。2018年からVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーに投入される新型『ホールデン・コモドアZB』のテストを行った。
先週金曜の1月19日にシドニーの港湾内に設置された海上ステージで、この新型マシンのアンベイル・イベントを行ったばかりのレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)は、週明けすぐの月曜に“エバリュエーション・デイ(評価日)”の一環として、このニューカラーリングに彩られた新型マシンのトラックテストを敢行。
クイーンズランド・レースウェイで行われたこのテスト走行の機会には、RBRAを運営するトリプルエイト・レースエンジニアリングの招待で、2017年IMSA王者のジョーダン・テイラーが参加し、Gen2(Next-Gen)規定スーパーカー参戦車両の初ドライブを体験した。
2014年から父ウェイン・テイラーが運営するチームでIMSAのスポーツカー選手権に参戦してきた末っ子のジョーダン・テイラーは、兄のリッキーと組み2017年のIMSA開幕戦デイトナ24時間を新型キャデラックDPi-V.Rで制すると、そのままシリーズチャンピオンを獲得。
また2012年からコルベット・レーシングとともに参戦するル・マン24時間では、2015年にシボレー・コルベットC7.RでGTEプロクラスを制するなど、耐久シリーズのトップドライバーとして活躍してきた。
2018年のデイトナ24時間を目前に控えた現地1月22日、クイーンズランドのトラックに到着したテイラーは、従来型の5.0リッターV8 OHVから『キャデラックATS-V.R.GT3』に搭載されたエンジンをベースとする3.6リッターV6直噴ツインターボに換装された新型コモドアZBで数ラップをドライブ。
チームのレギュラーである2017年王者ジェイミー・ウィンカップと、2016年王者のシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(SVG)が見守るなか、テイラーはトリプルエイトの担当エンジニアにフィードバックを行ったほか、VASCの下部カテゴリーであるスーパー2に参戦する若手のカート・コステッキーとともに、マシンをシェアしながらのテストをこなした。
VASCシリーズでは、シリーズのうちでレース距離が500kmを超えるイベントに向け“エンデューロ・カップ”と呼ばれるカップ戦のタイトルを設けており、その指定イベントには耐久カップ専属のセカンドドライバー登録が認められている。
2018年シーズンに向けては、すでにウィンカップ、SVGともに耐久カップ向けのペアが確定しており、ポルシェのワークス契約ドライバーであるアール・バンバーがウインカップと、SVGは昨季から継続となるポール・ダンブレルの登録が発表されている。
そのため、今回のテイラーのテストは即2018年シーズンのVASC参戦につながるものではなく、キャデラック・ドライバーとして、開発中のGMホールデン製V6直噴ツインターボに対する評価が主な理由だったとみられている。
ただし、テイラー自身はVASCへの関与を深める動きもみせており、昨年11月の耐久カップ戦『ニューキャッスル500』にはイベントのゲストとしてパドックを訪問。
2012年にはワイルドカード枠として、兄のリッキーがサーファーズ・パラダイスで開催された『ゴールドコースト600』に参戦した経験も持っている。