エンジャパンが1月25日に発表した「企業のメンタルヘルス対策」についての意識調査結果によると、「メンタル不調者が増えている」と回答した企業は52%。実際に「現在自社にメンタル不調者がいる」企業は58%に上っていることがわかった。
調査は2017年11月29日~12月26日の間、同社が運営する「エン人事のミカタ」を利用する企業を対象に実施。697社から回答を得た。
メンタル不調は「上司または従業員からの情報」で把握
現在メンタル不調の社員がいると回答した企業に対して、「要因と思われること」を聞くと、「職場の人間関係」(54%)が最も多い。「本人の性格の問題」(49%)、「上司・部下のコミュニケーション不足」(43%)「仕事量・負荷の増加」(36%)が続いている。
従業員のメンタル不調をどれくらい把握しているかの質問には、「把握している」(「把握している」:11%、「だいたい把握している」:60%)と答えた企業が71%に上る。
把握のための方法としては、「上司または従業員からの情報」(67%)、「ストレスチェック(調査票)を用いた調査」(53%)、「定期健康診断の際の問診等」(35%)などが多い。
メンタルヘルス対策の有無については、「実施している」と答えた企業が59%で、「実施していない」(35%)を上回る。具体的な対策内容のうち実際に有効だったものを質問すると、「ストレスチェック等による状況把握」(39%)、「産業医の設置」(31%)、「残業削減などの労働環境改善」(27%)などが挙がっている。
ストレスチェック「意義がある」が「ない」を大きく上回る
2015年12月からは、従業員数50人以上の企業に「ストレスチェック」の実施が義務付けられた。実施率を質問すると、「実施した」(「1回実施した」:27%、「2回実施した」:58%)と答えた企業は85%だった。
ストレスチェックを行うことに意義があるかを聞くと、「意義がある」(「大いに意義がある」:9%、「どちらかといえば意義がある」:37%)と答えた企業は46%。「意義がない」(「全く意義はない」:5%、「あまり意義はない」:18%)の23%を上回る。
ストレスチェックの意義について企業からは、
「ほんの数名ではあるがメンタル要因での休職や退職に至る前段階の "危険水域" にいる従業員が把握できた。診断前時点では、何となく元気がない程度の認識であったが、ストレスチェックの結果をきっかけに面談を行なったところ、周囲が感じているよりもシリアスな状況であることが判明した」
といった声の他、「労働者自身が自分の受けているストレスの度合いを定量的に知ることは大切」と評価する意見が見られた。