ウイリアムズF1チームのチーフテクニカルオフィサーを務めるパディ・ロウは、ロバート・クビカがグランプリレースに復帰するかもしれないという希望を持ち続けている。
33歳のクビカは2018年シーズンに向けて、フィリペ・マッサの有力な後任候補と見られていた。しかしながら彼は、最終的にはロシア人の新人ドライバーであるセルゲイ・シロトキンとのシート争いに負けることとなった。
クビカは今シーズン、チームの開発兼リザーブドライバーに指名された。これによりクビカには、シロトキンかランス・ストロールの代役となる可能性があることをロウは認めている。
週末にモスクワで開催されたウイリアムズとSMPレーシングの共同イベントで、ロウは以下のように述べた。
「彼は問題なくやっていけると、我々は大きな確信を持っている。彼にレースができないと思っていたら、リザーブドライバーにはしなかっただろう」
「レースをするだけでなく、高いパフォーマンスを発揮できるだろう。競争力を持ってレースをするということだ」とロウは付け加えた。
ロウは、クビカには2019年にフルタイムのシートを獲得するなんらかの方法がまだあると話している。
「彼にはどこであれ、2019年に空くレースシートを獲得する資格がある。それに彼はなんとしてもシートが欲しいはずだ」
2017年のテスト後に、チームがクビカではなくシロトキンを選んだ理由を聞かれたロウは回答を渋った。
「そのことを話すつもりはない。我々がセルゲイを選んだのは、ロバートだけでなく他の多くのドライバーと比べて、彼が幅広いパフォーマンスを見せたからだ。彼は確たる本命候補だった」
「結局のところ、(クビカが)何を欠いていたかという話ではない。レースシート獲得は、競争の激しいマーケットなんだ。レースシートの数よりも、才能溢れるドライバーの数の方がはるかに多い」
「別の見方をすれば、ロバートは(2011年のイタリアでの)ラリーの事故で腕を負傷してから、F1復帰の道を探る旅の途上にある」
「これは彼の功績だ。信じられないほどの努力が必要だったはずだ。多くの勇気と献身を、復帰という目標のために捧げたのだ」
「彼はその旅の途中にある。今シーズンは我々のところで開発ドライバーを務めるが、旅は続く」
ロウは、クビカがチームで開発ドライバーを務めることは、レースに挑む準備を整え、2019年のシート獲得を目指すうえで理想的なやり方だろうと述べた。
彼はクビカが、シミュレーターで長い時間を過ごすことになるだろうと語る。また、その作業は「レースドライバーや、他のシミュレーター開発ドライバーと同程度」になるだろうとも付け加えた。
「ここで重要なことは、ロバートが技術チームの一員になるということだ。ただ控えのベンチに座って出番を待つのとは違う」