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IMSA:キャデラックが0.007秒差でアキュラDPiを交わし逆転ポール。アロンソ13番手

2018年01月26日 12:22  AUTOSPORT web

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10号車キャデラックは2017年、開幕4連勝を達成。デイトナ2連覇なるか
1月25日に開幕したIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第1戦デイトナ24時間レースは同日、公式予選が行われ、前年度王者のコニカミノルタ・キャデラック、10号車キャデラックDPi-V.R(ジョーダン・テイラー/レンジャー・バン・デル・ザンデ/ライアン・ハンター-レイ組)が総合2番手と0.007秒差という僅差でポールポジションを獲得した。
 
 走行初日となった25日、9時20分から1時間にわたって行われたフリープラクティス(FP)1回目でレネ・ラスト駆るマツダチーム・ヨーストの55号車マツダRT24-P DPiが、13時40分~14時40分までの1時間実施されたFP2ではアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05 DPiがそれぞれトップタイムをマークするなど、キャデラックDPi勢が他陣営を圧倒した事前テストとは上位陣の顔ぶれに変化がみられた。

 そんななか迎えた公式予選では、FP2で最速となった7号車アキュラを駆るエリオ・カストロネベスが躍動。15分で行われる予選セッションの中盤、1分36秒607というタイムで総合トップに躍り出たカストロネベスは、このタイムを僅かに上回ってきたスプリット・オブ・デイトナ・レーシングの90号車キャデラックDPi-V.Rを自己ベストを大きく更新する1分36秒090で突き放し、再度タイムシートの最上段へ浮上する。

 セッション終盤、事前テストで最速タイムをマークしているフェリペ・ナッセ駆るウェーレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rがマシントラブルを抱えコース脇にマシンを停めたことでアキュラDPiの“デビュー戦初ポール”が決定的になったと思われた。

 しかし15分間のセッション最終盤、チェッカーフラッグが振られるなかでセクター1を全体ベストで通過したバン・デル・ザンデの10号車キャデラックがコントロールラインに戻ってくると、キャデラックのボディサイドに設けられたポジション表示灯が“1”に変わった。

 この瞬間、7号車アキュラの開幕ポールは幻となり、すでにピットに戻って戦況を見つめていたカストロネベスは顔を伏せ頭を抱えた。10号車キャデラックのアタックラップタイムは1分36秒083で、7号車アキュラとの差はわずか1000分の7秒だった。

■アロンソが予選アタックを担当

 大接戦となった予選の3番手にはマスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.Rがつけ、今季プロトタイプクラスにステップアップしたパフォーマンス・テック・モータースポーツの38号車オレカ07・ギブソンが総合4番手に続いている。

 FP1で好調をアピールしたマツダは、55号車マツダがトップとコンマ5秒差の総合9番手につけたが、僚友77号車マツダは予選に出走できず。

 また、テキーラ・パトロン・ESMが走らせるニッサンDPiも2号車ニッサンが走行しなかったほか、ニコラス・ラピエールがドライブした22号車ニッサンはセッション序盤にインフィールド区間でタイヤバリアにクラッシュを喫するなど、厳しい立ち上がりとなってしまった。

 ル・マン24時間レース参戦を見据えて今大会にスポット参戦しているフェルナンド・アロンソは、ユナイテッド・オートスポーツの23号車リジェJS P217・ギブソンの予選アタッカーを担当。多くのライバル勢と同様にグリーンシグナルと同時にコースインすると、9周をラップして最終周に1分37秒008をマーク。総合13番手につけた。

■コルベットの作戦勝ち?

 GTル・マン(GTLM)クラスは4メーカー9台が参戦するなかトップ3をコルベット、フォード、ポルシェが分け合うカタチに。

 3号車と4号車の2台のコルベットC7.Rを走らせるコルベット・レーシングは、セッション序盤から2台を縦列並走させ、スリップストリームを互いに使いあいながらタイムを縮めていく作戦を採っていくが、そのなかでヤン・マグヌッセン駆る3号車コルベットが1分42秒779というトップタイムを記録する。

 このタイムをターゲットに逆転を狙うライバル勢は、フォード・チップ・ガナッシレーシングの66号車フォードGTのジェームス・ハンドがまず1分42秒台に入れてくるが3号車コルベットのタイムには届かず。その後ハンドは自己ベストを更新してトップと0.019秒差となる1分42秒798まで迫るもあと一歩及ばずクラス2番手に留まった。

 GTLMクラス3、4番手にはポルシェGTチームの912号車、911号車ポルシェ911 RSR勢が続き、唯一のフェラーリユーザーであるリシ・コンペティツオーネの62号車フェラーリ488 GTEが7番手に。今大会がデビュー戦となるBMW M8 GTEは25号車BMWがトップから1.1秒遅れのクラス8番手、僚友24号車BMWは同9番手となっている。

■レクサスRC Fがセカンドロウ獲得。NSXはクラス7番手スタート

 GTデイトナ(GTD)クラスは、午前と午後の両プラクティスでトップ3に入ったスプリット・オブ・レースの51号車フェラーリ488 GT3(ダニエル・セラ/ポール・ダラ-ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ組)が2番手にコンマ4秒の大差をつけてポールポジションを獲得。
 
 アタックを担当したセラは、セッション序盤から1分46秒台のタイムをマークすると、その後も自身のタイムを更新し続け最終的に1分46秒049というレコードタイムで自身初のポールを確定させた。

 クラス2番手はミゲル・モリーナ駆るリシ・コンペティツィオーネの82号車フェラーリ488 GT3が入り、フェラーリ勢が予選ワン・ツーを達成。
 
 FP2でクラス4番手につけた3GTレーシングは、ジャック・ホークスワースがドライブする15号車レクサスRC F GT3がクラス3番手につけたGRT・グラッサー・レーシング・チームに次ぐクラス4番手グリッドを確保。僚友14号車レクサスはクラス6番手につけた。
 
 アキュラNSX GT3勢ではFP2でトップタイムをマークしたマイケル・シャンク・レーシング(MSR)の86号車NSXがクラス7番手。デビュー戦を迎えたHART(ホンダ・オブ・アメリカ・レーシング・チーム)の69号車NSXは同15番手、MSRの93号車NSXはボンネットが剥離するトラブルもあり17番手に留まっている。
 
 走行初日を終えたデイトナ24時間は26日(金)、決勝前の最後の走行機会となるFP4が現地9時40分(日本時間23時40分)から実施される。決勝のスタートは27日(土)14時40分(日本時間28日(日)4時40分)だ。