F1に反競争的行為があるとして欧州連合に対して不服を申し立てていたフォース・インディアとザウバーが、この申し立てを取り下げることを決めた。両者はF1の規則制定および分配金の仕組みに不満を示していた。
フェラーリ、レッドブル、メルセデス、マクラーレン、ウイリアムズといったチームが優遇される現在のシステムに関する抗議が、欧州連合競争法についての権限を持つ欧州委員会に対して2015年になされた。しかしその後、F1を取得した現在のオーナーが全チームとF1の運営について詳細にわたる話し合いを行ってきた結果、フォース・インディアとザウバーは、新オーナーを信頼し、EUへの申し立てを取り下げることを決めた。
「我々は2015年に欧州委員会に対し、F1というスポーツにおける反競争的行為という問題について、不服を申し立てたが、これを取り下げることを決定した」とフォース・インディアとザウバーの共同声明には記されている。
「F1商業権保有者のエグゼクティブチェアマンでありCEOにチェイス・キャリーが就任し、新たなマネジメントチームが形成されて以来、行われてきた協議には非常にポジティブな印象を得ている」
「彼らのアプローチはスポーツの透明性という新たな文化をもたらし、プライズファンドマネーの分配、コストコントロール、エンジンレギュレーションといった根本的な問題について進んで討論しようという意思を示している」
「F1の新しいマネジメント陣営が全チームに対しさまざまな問題点について公正かつ公平な形で交渉を行うというアプローチをとっていることを確認し、心強く思っている」
「今回の対応にいたった懸念は十分に正当なものではあったが、新たなアプローチによって今後我々の懸念について客観的に検討されるという確信を十分得られるため、法的な争いではなく対話を通して、このスポーツが直面する問題を解決していきたいと考える」
「我々はF1の今の変革の過程を支持し、即時抗議を取り下げることを決めた」