F1やサッカー、そして格闘技などスポーツに特化した動画配信サービスを行うDAZN(ダ・ゾーン)が都内のホテルで2018年シーズンに向けての事業戦略説明会を行った。F1のリアルタイム配信は2018年も継続される予定だ。
昨年、Jリーグを既存の4倍とも言われる契約料で期間10年という大型契約を結んだDAZN。そのコンテンツの中心はJリーグやヨーロッパサッカーが中心だが、モータースポーツファンとしては、F1、そしてFIA-F2のリアルタイム放送でもお馴染みだ。
都内のホテルで開催された事業説明会では、昨年のDAZNは8月に100万ユーザーを越えたことをジェームス・ラシュトンCEOが明言。その後も同等のペースで加入者が増えているという。配信当初となる昨年2月には、動画の読み込みの際に画面が停止するバッファ率が12パーセントだったところを、12月の時点では0.2パーセントまで改善させたことをアピールしたラシュトンCEO。
「バッファ率に苦しんだが、改善することができた。もちろん、0パーセントを目指したい」と会見で述べ、今後についても「コンテンツはこれからも増やしていくけど、価格はキープする」と、ユーザーの懐に配慮したうれしい宣言とともに、「スポーツの新しい本拠地に」「時代を変えろ」といったDAZNのキャッチフレーズを紹介。Jリーグへの中継カメラを増加させるなど、スポーツ中継の新しいありかたについて、その方針を語った。
モータースポーツのカテゴリーではDAZNは今年もF1を配信予定。昨年に引き続きメインレースカメラの他にオンボードカメラ、そしてピットレーンカメラと3つの視点でレースを見ることができる、3ウェイビューイングを導入する。
「今年はホンダエンジン(パワーユニット)が高いパフォーマンスを発揮できることを願っています。やはり日本とってはホンダは象徴的な存在。ホンダパワーを見せてくれることを期待しています」と、ラシュトンCEOは日本のモータースポーツファンに配慮したコメントも会見で述べた。
今年のDAZNは自分のお気に入りのスポーツについてのフォロー機能や、1週間までだった視聴期間への対策となるダウンロード機能の追加(契約団体によって期間などはまちまちになるという)、パーソナライゼーション機能によってインターフェース、トップのメニュー画面がユーザーごとに変わって見やすくなる機能など、技術面でもさまざまなアップデートを予定しているという。
会見ではシークレットゲストとして、今年もDAZNのアンバサダーを務めることになったボクシングWBA世界ミドル級王者の村田諒太選手が登場。4月に行われる初防衛戦に向けて「第一次キャンプを終えたところ」という状況のなか、「今、勢いがある会社のアンバサダーに就任できて光栄です」「自分がやっているスポーツだけでは、わからない部分もある。サッカー選手の走り方を見て参考にしたり、体の使い方などを参考にしたりしています」と、DAZNで他のスポーツ観戦をしていることを述べ、「ハイライト機能は(観戦するのに)取っつきやすいですよね」とユーザーとしての感想も付け加えた。
今季のDAZNは村田諒太選手の他にも、さまざまな各界のビッグネームをアンバサダーとして契約予定のようで、村田諒太選手が侍に扮するCMも放送予定とのこと。
イギリスを本拠地に、スポーツ中継に黒船来襲ともいえる画期的な技術とサービスをインターネットを通じて導入するDAZN。その猛威は今年もまだまだ続きそうだ。