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マッシュHDがコスメブランドの自社開発に注力「輸入ばかりには頼れない」

2018年01月25日 13:03  Fashionsnap.com

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発色の良さも印象的な「トーン(to/one)」のラインナップ(左上から時計回りでスキンケア、アイシャドー、リップ、チーク) Image by: FASHIONSNAP
マッシュホールディングスのグループ会社で「コスメキッチン(Cosme Kitchen)」などを運営するマッシュビューティーラボが、オリジナルコスメブランドの展開を拡大している。今年2月末に「トーン(to/one)」がデビューするほか、さらに新たに2ブランドが立ち上がる予定だ。海外のナチュラル&オーガニックコスメを紹介してきた同社はなぜオリジナルブランドに注力するのか。同社副社長でトーンのプロジェクトを推進している小木充氏に戦略を聞いた。

 同社は2009年9月から店舗を展開しているオーガニックビューティーセレクトショップ「コスメキッチン」などを通じて「アリマピュア(alima PURE)」や「トリロジー(Trilogy)」「RMSビューティー(RMS BEAUTY )」といった海外のナチュラル&オーガニックブランドを広めてきた。コスメキッチンは現在、全国に店舗を構え、昨年11月には香港に海外初出店した。
 オーガニックやナチュラルという言葉が浸透し、セレクトブランドが人気を集める一方で、小木氏は「海外の製品は黄色人種の日本人やアジア人の肌に合わない。湿度などの環境や嗜好性も違うので、輸入ばかりには頼れない」と話す。日本人に合う製品を提供するには自社で開発することが最適と考え、また同社オリジナルコスメブランド「セルヴォーク(Celvoke)」の売上が想定より30~40%ほど高かったことを受けて、トーンをはじめとする新規ブランドの開発に着手したという。
 トーンでは、同社の人気アパレルブランド「ジェラートピケ(gelato pique)」や「スナイデル(snidel)」を好む層を意識し、スキンケアからメーキャップまでフルラインナップを展開。ほとんどの製品がウチワサボテンのオイルと花々のエッセンスを配合している。製品開発ではVOGUEなどのファッション誌や広告で活躍するRYUJIを起用。ポイントメイクが楽しめる充実したカラー展開も特長の一つで、輸入ブランドでは実現できなかったことを反映した。価格帯はスキンケアが1,400円~4,500円、メーキャップは1,500円~3,800円と手に届きやすい設定。原価は「いわゆる化粧品業界の平均より3倍ほどになっているのでは」(小木氏)と原料に妥協はしない。
 その他、新たに立ち上がる2ブランドは、コスメキッチンで売上シェアが高かった「エムアイエムシー(MiMC)」と「ナチュラグラッセ(naturaglace)」とそれぞれ共同開発する。2月28日に新宿エリア、3月3日に有楽町エリアにオープンする新業態「メイクアップキッチン(Make→Kitchen)」でトーンとともに販売される。いずれもアジア人が使いやすい製品開発を通じてオーガニックコスメをパブリックなものにし、シェアを獲得したい考えだ。
 輸入販売に関しては同社オリジナルブランドと平等に取り扱うとしている。今後はメード・イン・ジャパンを強みにグローバル展開を視野に入れる。