2018年、WRC世界ラリー選手権への復帰参戦2年目を迎えたTOYOTA GAZOO Racing WRTは1月24日、シーズン第1戦モンテカルロ開幕直前のシェイクダウンセッションに臨み、マシンの最終調整を完了。今年からチームに加わったオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が3番手タイムを記録した。
世界でもっとも歴史の古いラリー・モンテカルロは、モナコ公国とフランスの一部を中心に争われるターマック(舗装路)イベント。ただし、コース上には雪が積もる箇所や路面が凍結している箇所が入り交じることが多く難度が高いイベントだ。
25日(木)夜のSS1前に行われたシェイクダウンは、24日(水)夕方にフランス・ギャップに設けられたサービスパーク北側エリアで行われた。
この日のギャップ周辺は好天に恵まれたため、路面に雪や凍結箇所はなく、セッションはドライコンディションで推移。25日以降は雨や雪が降る可能性もあるが、ドライバーたちはマシンやコースへの理解度を深めている。
このセッションで、トヨタ勢はMスポーツから移籍してきたタナクが3番手で陣営最上位。エースのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が6番手、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が9番手タイと上々の滑り出しをみせた。
2018年からチームのスポーティング・ディレクターに就任しているカイ・リンドストロームは「ラリー・モンテカルロのシェイクダウンでは自信を高めることにより重きを置いているが、今日はとてもいい内容で終えることができた」と走行を統括する。
「走り終えた後はドライバー3人とも非常にいい表情をしていた。戦うための準備は万端だ」
「今回は最初の2日間が我々にとって極めて重要な日になるだろうと考えているけど、今シーズン最初のラリーに向けて、すべてがうまく行っていると分かったから、とてもいいフィーリングで臨めると思う」
2017年のラリー・モンテカルロで総合2位を獲得し、トヨタに復帰初戦での表彰台をもたらしたラトバラは「シェイクダウンではクルマ、ドライビングのどちらも良いフィーリングだったから、とてもうれしく思う」とコメントしている。
「このラリーではいいフィーリングと自信を得ることがもっとも重要だが、シーズンをスタートする準備はすでに整っていると感じている」
「ただし、明日デイ1のシステロンでのSS1は全車にとって難しいものになるだろうね。SSの大部分はよくグリップするけど、ダウンヒルのストレート部分では凍っている部分もあるから、注意して走りたいと思う」
また、ラッピは「今回は焦ることなく、ステップ・バイ・ステップでスピードを高めていくつもり」としたほか、タナクも「明日の夜のSSは大きな挑戦となるだろうけど、できればいいポジションで1日を終え、翌日以降の戦いに臨みたいと思う」と語った。
2018年のWRC第1戦モンテカルロは1月25日、現地夕方に行われるセレモニアルスタートで開幕。その後、現地21時43分からSS1~2の2SSがナイトステージとして行われる。
ドライバーたちがサービスパークに戻るのは現地24時近くになる見込みで、2本のSSの合計距離は62.18km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は312.65kmだ。