トップへ

2018年、音楽ガジェットは“ワイヤレス化”がキーワードに スマートスピーカーの普及にも注目

2018年01月25日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 Amazonの音声アシスタント・Alexa対応イヤホンやスマートウォッチ、AI搭載の車載システム……2017年に引き続き、本年も生活を豊かにする最新ガジェットが続々と発表されている。そこで海外の動向に詳しいジェイ・コウガミ氏に、2018年の音楽系ガジェットの傾向や予想を語ってもらった。


(関連:骨伝導イヤホン、スマートグラス、AI作曲……『ウェアラブルEXPO』が示す、エンタメの未来


 ジェイ氏は2018年の重大キーワードとして“ワイヤレス化”を挙げた。当初は見慣れないデザインにユーザーを驚かせたApple AirPodsなどの左右独立型イヤホンや、iPhone Xのワイヤレス充電など、ケーブルから解放されたガジェットも普及し始めている。2018年はその流れがさらに勢いづきそうだ。


「Bluetoothでデバイスと接続するワイヤレスイヤホンは、最近街中で使っている人をよく見かけますね。LINEが販売しているバッテリー内蔵のスマートスピーカー・Clova WAVEや、Bluetoothで接続できるアンプなども登場しています。“ワイヤレス化”の流れは、今後音楽を聴く上で大きな転換期になるのではないでしょうか」


 ワイヤレス化により家のどこでも手軽に音楽を聴くことができるようになったり、ケーブルをどこかに引っ掛ける心配なくイヤホンを使えるようになる一方、ジェイ氏はワイヤレス化による懸念も指摘した。


「ケーブルの質や素材で音質が変わるので、スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンは音質にこだわるリスナーには気になるところかもしれません。しかし、5Gなど次世代通信規格も開発されており、さらに高速かつ大容量の通信が可能になるため、高音質の音源も簡単に聴けるようになっていきそうです」


 最近ではノイズキャンセリング機能付きイヤホン・SONY WF-1000Xや、オンキヨーによるスマートスピーカー・G3など、高音質なオーディオ機器も登場し始めている。こうした機器が2018年はさらなる進化を遂げることだろう。


 最後にジェイ氏はAmazon EchoやGoogle Assistantの国内上陸によって“スマートスピーカー元年”となった2017年を振り返り、以下のように語った。


「今のスピーカーに足りないのは提案力だと思います。2018年はストリーミングサービスの楽曲が充実するのに付随して、ユーザーが聴きたい曲をスマートスピーカーがより正確に提案できるようになっていくことを期待したいですね。スマートスピーカーがユーザーの嗜好に合わせた曲をレコメンドできれば、スピーカーを使いたいという人も増え、普及につながるのではないでしょうか」


 ワイヤレス化によって、文字通りいつでもどこでも音楽を聴けるようになる、という日も遠くはない。通信技術やガジェットの発達によって音質の問題もクリアになりつつある今、聴きたい曲がカタログにラインナップされているか、そしてAIが聴きたい曲をレコメンドしてくれるか、といったサービス面がより重視されるようになっていきそうだ。(村上夏菜)