MotoGPに参戦するモビスター・ヤマハは1月24日、スペインのマドリード市内で2018年の体制発表会を開催。2018年シーズンを戦うヤマハYZR-M1もお披露目した。
2017年シーズンはバレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソの後任として起用されたマーベリック・ビニャーレスのふたりで挑んだヤマハ。ビニャーレスが開幕戦カタールGP、第2戦アルゼンチンGPと2連勝を飾り、第5戦フランスGPでも優勝。前半戦はビニャーレスがチャンピオンシップをリードするかと思われていた。
しかし、後半戦に入るとビニャーレス、ロッシともに失速。表彰台は獲得するものの、チャンピオン争いからは後退し、ビニャーレスはランキング3位、ロッシはランキング5位でシーズンを終えた。
2018年シーズンもロッシとビニャーレスのコンビを継続。ホンダの3連覇を阻止し、チャンピオン奪還に挑む。
発表会にはロッシとビニャーレスも出席。ロッシは「グランプリ参戦23年目、最高峰クラスで19年目のシーズンとなるが、僕のモチベーションはバイクに乗ることを楽しむこと。レースウイークは問題を解決することに取り組み、日曜日にできるだけ速く走れるようにトライするよ」と次のように語った。
「僕にとってバイクに乗ってトレーニングすることはとても重要だ。シーズンオフも、フラットトラックの走行でたくさんトレーニグを楽しんだ。シーズンが始まってもトレーニングは継続するが、特に安全には気を付けて取り組みたい。去年はトレーニング中にケガをしているからね」
「去年のミサノの欠場は残念だった。ミサノは僕にとってシーズンのなかで最も重要なレースだからね。アラゴンの復帰1週間前にテストして、やれることが分かった。ケガは不運だったが、あまり痛みはひどくなかった。2010年のムジェロで同じようなケガしたときは痛みがひどかったんだけど、去年はそれに比べれば痛みは少なかったんだ。ライダーの仕事をしていく上で重要なことはケガからのカムバックはできるだけ早いほうがいいということだ」
「2017年は僕にとってもチームにとってもベストな結果ではなかった。僕たちはもっとうまくやれるはず。マシンに関しては電子制御、細かなデティールまで速く走れるようにしないとならない。そして、タイヤについてももっといいやり方を見つけなければならない。これが去年のカギだった。チームとともに仕事に取り組み、バイクをよくしていきたい」
ヤマハで2年目を迎えるビニャーレスは「2年目のシーズンだから去年より経験値は増えている。ウイークポイントをわかっているし、シーズンオフはトレーニングに取り組んだ。あとはバイクに乗ってみてどうなのかだね。プレッシャーがあることは常にポジティブ。自分をよりプッシュできる。今年の目標は昨年と同様。開幕戦から常に表彰台圏内でレースを続け、タイトル争いに加わることだ。去年のミスから学んだことを生かしたい。雨のレースで結果が残せなかったから、この点を改善することも重要だ」と2018年の飛躍を誓った。
また、会場では2018年型YZR-M1がお披露目された。2018年型マシンのカラーリングに大きな変更はないが、チームのメインスポンサーを務めるモビスターのロゴが緑から白に変更された。ちなみに、バレンシアオフィシャルテストで注目を集めた新型の空力カウルは会場では披露されなかった。
1月28日からマレーシア・セパンで2018年最初のオフィシャルテストがスタートする。ヤマハがこのテストで新型の空力カウルを投入するのか気になるところだ。
なお、発表会の場でビニャーレスがヤマハとの契約を2020年まで延長したことが発表された。ロッシとの契約は2018年限りとなるため、2018年シーズンはロッシにとって引退か継続かを決断する重要な1年となるだろう。