六本木のギャラリー ペロタン東京で、アメリカ人アーティスト ヘルナン・バス(Hernan Bas)の個展「異郷の昆虫たち」が開催されている。日本で本格的に紹介するのは今回が初。会期は3月11日まで。
ヘルナン・バスは、1978年にアメリカ・フロリダ州マイアミで生まれ、その地でアーティストとしてのキャリアをスタート。現在はデトロイトとマイアミを拠点に活動している。特に19世紀後期ヨーロッパのデカダン派の作家オスカー・ワイルドや、ジョリス=カルル・ユイスマンスの耽美的で退廃的な文学世界、前衛芸術家集団であるナビ派から強い影響を受けており、過去と現在、風景画と抽象画の絵画的しきたりの間で揺れ動くようなペインティングを生み出している。
同展では、「海外の昆虫 - その構造、生態と変態の報告」(1874年出版)という古書籍から着想を得た新作ペインティングとドローイングを発表する。バスは、同書籍では昆虫の様子が親しみやすいもののように詩的に記述されていたことと、一方で19世紀当時の「ダンディー」の風刺画は彼らを世俗から逸脱した怪物のように扱い、まるで昆虫のように描写していたことを重ね合わせた。新作ペインティングは、文化的にも歴史的にも"外来"といえる一群のキャラクターを描き、精緻な描写により異質な人物像を魅力的なものにした。
■Hernan Bas "Insects from Abroad"会期:2018年1月18日~3月11日 17:00~19:00場所:ペロタン東京住所:東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル1F