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高杉真宙、2018年の快進撃が始まった! 『賭ケグルイ』で見せた、コミカルな新境地

2018年01月24日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 「ギャンブルの強さで地位が決まる学園」「主人公はおしとやかでギャンブル狂」という、いかにも漫画らしいぶっ飛んだ設定のドラマ『賭ケグルイ』が、現在MBS/TBSのドラマイズム枠で放送中だ。原作コミックが人気を博し、テレビアニメ化もされた本作の実写化は、正直不安の声も上がったが、そんな中で放送された本作は、キャストの演技力に驚かされるものだった。


参考:浜辺美波が語る、役者としての新たな挑戦 「『賭ケグルイ』はこれまでの路線とは違う」


 主人公・蛇喰夢子を演じた浜辺美波や、夢子と対峙する二年華組の女王・早乙女芽亜里を演じた森川葵はもちろんだが、第1話の冒頭で芽亜里との勝負に負け、学園最下層の“ポチ”に身を落とし、虐げられる日々を送ることになってしまった鈴井涼太を演じた高杉真宙には、彼の役者としての新境地が開かれたように感じた。


 学級委員という立場から、物語の舞台となる私立百花王学園に転校してきた夢子に、学園を案内することになった鈴井。「この学校はおかしい。絶対ギャンブルの誘いに乗ってはいけない」と夢子に注意をする。しかし、夢子はそんな鈴井の忠告はそっちのけで、芽亜里の誘いに乗り、過熱していく心理戦にただならぬ興奮を見せていく。


 鈴井は気が弱く博才もない青年だ。しかし、金と地位という欲に飲まれている芽亜里や、純粋にギャンブルに身を委ねる夢子とは少し立ち位置が違うように思える。「この学園はおかしい」と、ギャンブルに手を出さないよう夢子を説得し、無謀な掛け金をベットする夢子を止めようとする。一般的な見識を持つと同時に、学園の仕組みをカメラに目を向け説明するなど、作品内で唯一、視聴側の存在といえるだろう。


 その難しい立ち位置を高杉はうまく演じきっている。学園の仕組みを説明するシーンでは、口を大きく開き、太めの声でしっかりと届けるように、夢子との会話やギャンブルでのリアクションは、よりコミカルにオーバーなアクションで、鈴井のキャラクターをグラつかせることなく、ギャンブルの恐怖を表現している。この“コミカルな演技”は、今までの高杉では見ることができなかった部分だ。『ハンサム★スーツ』や『未成年だけどコドモじゃない』など、コメディ描写に定評のある英勉監督の要望に答える高杉には、役者としての地力の高さを感じた。


 昨年、『PとJK』、『ReLIFE リライフ』、『想影』、『逆光の頃』、『トリガール!』、『散歩する侵略者』の6本の映画に出演し、その年度に最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰する、第9回TAMA映画賞最優秀新進男優賞を、間宮祥太朗とともに受賞した高杉。2018年に入ってからも、『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』(3月3日公開)、『世界でいちばん長い写真』(初夏公開)、『虹色デイズ』(7月公開)、『ギャングース』(秋公開)と、すでに4本の出演映画(うち3本は主演映画)の公開が決まっている。


 中でも注目は、加藤諒、渡辺大知とともに主演を務める『ギャングース』。原作で生々しい犯罪世界が描かれているこの作品で、高杉は犯罪集団のメンバー・サイケを演じる。『22年目の告白 -私が殺人犯です-』、『ビジランテ』と、近年は犯罪映画に果敢に挑んでいる入江悠監督がメガホンを取るということもあり、また新たな高杉の一面を見ることができるのではないかと、今から大きな期待が高まる。(馬場翔大)