YouTubeが1月16日、「YouTubeパートナープログラム」の新しい資格要件を発表し、一部ユーザーに衝撃が走っている。
同プログラムは、動画を投稿したユーザーに広告収益が入るようになる、というもの。ユーチューバーとして活動していくにはプログラムへの申し込みが不可欠だ。昨年4月から「合計視聴回数が1万回以上」という要件が設定されていたが、今回の変更で、
「チャンネルの過去12か月間の総再生時間が4000時間、チャンネル登録者が1000人に到達すると、このプログラムに参加できるかどうかが審査されます」
となる。これを受け、現在ネット上では要件を満たさない"零細ユーチューバー"から悲鳴が上がった。
「『お前はユーチューバーとして失格だ!』という解雇通知が届いた」
新要件は2月20日に適用される。それまで期間は猶予期間となり、期日までに新要件をクリアしなければYouTubeで収益を得ることができなくなるという。同社は公式ブログで「変更により相当な数のチャンネルが影響を受けることが予想される」と述べた上で、
「そのうち99%は年間の収益が100ドル未満のチャンネルで、その90%は先月の収益が2.5ドル未満であったことがわかっています」
としている。影響を受けるのはそもそも大して稼いでいなかったユーザー、ということのようだ。
ツイッターでは今月20日頃から、「なんか俺YouTuberクビになったんだけど」という投稿がされている。あるユーチューバーも「『お前はユーチューバーとして失格だ!』というYouTubeからの解雇通知が届いた」といい、
「現在、チャンネル登録者数は22人。あとチャンネル登録者数を45倍以上の1000人に増やして、総再生時間4000時間を突破すれば、ユーチューバーとして認めてもらえる。ハードル高すぎ。無理」
と嘆くツイートをしている。また「要するに数円~数十円の支払いまで対応するのが作業量・コスト面で不可能ということなんだろうね」という声も寄せられた。
収益厳格化で、悪意あるユーザーを排除する?
ただ、今回の要件変更にも理由はある。YouTube公式ブログには、収益化の用件を厳格化することで、優良なコンテンツを制作するクリエイターに報い続けるとともに、悪意のあるユーザーがシステムやクリエイターに損害を与えることができないようにする、との記載がある。
YouTubeは昨年6月からの半年で過激な暴力表現のある動画15万本を削除している。機械学習によって動画を検出していたが、仮に人手で処理した場合、週40時間働く人員が18万人必要になる計算だったという。