東京都心で4年ぶりに20センチ以上の積雪が観測された、1月22日。前日には国土交通省緊急発表で「不要不急の外出は控えるとともに、やむを得ず運転する場合には、チェーンの早めの装着等をお願いします」告知されたほどだが、通常に通学・出勤したという人も多いだろう。
そんな中、ツイッターでは「ノーマルタイヤで積雪・凍結道路を運転するのは法令違反だからな」という投稿が話題を呼んでいる。
現状、雪道を走るノーマルタイヤ車の取締は行われていない
これに対して「確かに雪道はくっそ危ないから用心しないと下手すりゃ自分含めて人死ぬからなぁ」と納得の声が多く寄せられた。中には「雪国であるが故に知りませんでした!冬はタイヤ交換が当たり前なので」という声もあった。
実際のところどうなっているのか。国土交通省の担当者はキャリコネニュースの取材に「たしかに道路交通法71条第1項に規定されています」と話す。詳細は都道府県によって異なるが、東京では道路交通規則第8条第6号で、
「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、自動車又は原動機付自転車を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること」
と定められている。違反した場合は、5000~7000円の反則金が適用される。
「雪が降りだすとスリップ等の事故の対応に追われるので、現状、すべり止めをしているかどうかだけの取締りを行うことは難しいのではないでしょうか。都道府県によっては『5センチ以上の積雪で道路を除雪』という内規があるので、それを超えるとノーマルタイヤで安全な運行はできないと考えています」(国交省担当者)
NHKの報道によると、雪が積もり始めてから翌23日午前6時までの間に都内で起こった、積雪等が原因と見られる交通事故は740件にも上る。また積雪の影響で、東京・港区のレインボーブリッジで約50台の車が立ち往生した。FNNは「ノーマルタイヤの車がほとんど」だとしている。
「降雪予報が出た時点で、スタッドレスかチェーンの装着をしてほしい」
同担当者は立往生の多発について
「経験的でしかありませんが、上り坂に雪が積もっているところで、防滑措置を取っていないトレーラーなどの大型車が登れなくなってしまうことが多いです。一般車はあまりないですね。または雪の影響で事故が発生し、渋滞している間にも車間に雪が積って動けなくなるということもあります」
と説明。また高速道路ではサービスエリアなどで防滑措置を取っていない車を次のインターで降ろさせる「チェーン規制」を行うこともあるが、「そうすると防滑措置を取っていない車が一般道を走ることになるので、坂道で動けなくなることもあります」という。
同担当者は、降雪の予報が出たのであればスタッドレスタイヤへの履き替えやチェーンの装着または車内への積み込みをしてほしい、と話した。しかし、
「防滑を呼びかけるので精一杯。推測でしかありませんが、今回の大雪でも首都圏のスタッドレスタイヤ等の装着率は低かったのではないでしょうか」
と嘆いていた。