マクラーレン・オートモーティブはイギリス・ヨークシャーにカーボンファイバー製パーツを製造する新施設、マクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター(MCTC)を開設する。
1981年、F1に初めてカーボンファイバー製モノコックを持ち込んだマクラーレン。以後、カーボン製モノコックはマクラーレンのDNAの一部として現在まで受け継がれており、最新のF1マシンをはじめ、『マクラーレン650S GT3』などのレースカーや2017年末に発表された『マクラーレン・セナ』などのロードカーにも採用されている。
そんなカーボン・モノコックを自社生産するために作られたのが、シェフィールド大学のアドバンスド・マニュファクチャリング・リサーチ・センター内に設置されるMCTCだ。
マクラーレン第二の製造施設として5000万ポンド(約76億円)の資金が投じられた同施設では今月、マイク・フルーウィットCEOが見守るなかオープニングセレモニーが行われ、外壁に掲げられた『McLaren』ロゴの点灯式などを実施。
施設内では故アイルトン・セナの名を冠した究極のロードカー、マクラーレン・セナが登場し、華麗なドーナツターンでゲストを迎えるとともにMCTCの真新しい床に大量のブラックマークを残す“マクラーレン流”の洗礼を施した。
また、同イベントにはセナがステアリングを握り1989年のF1を戦ったマクラーレン・ホンダMP4/5も登場してマクラーレン・セナと並べられるなど、式典に華を添えている。
セレモニーで挨拶に立ったフルーウィットCEOは「今日はマクラーレン・オートモーティブのすべてのメンバーにとって重要かつ感動的なマイルストーンの日となった」と語り、「MCTCにマクラーレンのブランドマークを灯せたことを個人的にも光栄に思う」と続けた。
また、本拠地ウォーキング以外の地域への進出については「MCTCの稼働によって2100名の従業員を擁する当社は、さらに発展の勢いを増しシェフィールドにて新たな雇用を創出することになる」とマクラーレンと進出地のシェフィールドの双方にとって利となることを強調。
「シェフィールド地域は先端素材との関係が深く、これまでは鋼材の分野が有名だったが、今後はカーボンファイバーのイノベーションおよび、製造の分野でマクラーレンと深く関わっていくことになるだろう」と語った。
2017年、過去最高の売上を記録したマクラーレンは570Sスパイダー、旗艦モデルの720S、スペシャルモデルとなるマクラーレン・セナという3つの高性能スーパーカーシリーズを発表したが、今後も“Track22”と名付けられたビジネスプランのもと意欲的なモデルを輩出するとし、そのうちの半分以上にはハイブリッド・パワートレインの技術を導入する予定だという。