ウイリアムズはランス・ストロールのチームメイトとして、セルゲイ・シロトキンと正式契約を結んだ。最後までレースシートを争い、一時は本命視されたロバート・クビカは、リザーブおよびテスト開発ドライバーに就任。期待されたF1復活とはならなかった。
しかしクビカの親しい友人でマネージメントを担当するニコ・ロズベルグは、「ロバートの夢は、まだ十分に実現可能だ」と、ドイツのアウト・モーター・ウント・シュポルト誌に語った。
「これでF1への扉が閉ざされたとは、僕もロバートも全然思ってない。今季、機会あるごとに走ることで、彼がF1ドライバーとしての能力を何も失っていないことが十分に証明されると考えてるよ」
開幕後のクビカはいくつかのレース週末の初日フリー走行で、ウイリアムズFW41のステアリングを握ることが決まっている。2月末に始まるウィンターテストでも、もちろん走行は予定されている。
「合計すればロバートは、かなりの距離を走破することになるだろう。レースシートが決まらなかったのは確かに残念だけど、来季以降のことを考えれば決して悪くない契約だ。いきなりレースに復帰するのではなく、じっくり時間をかけて今のF1に適応して行けるからね。たとえばピレリタイヤの特性も、そのひとつだ」
クビカやロズベルグたちは主にクビカの祖国ポーランドからスポンサー企業を募り、ウイリアムズに対して総額800万ドルの持ち込み資金をオファー。しかし潤沢なロシアマネーが背後に控えるシロトキンは、年間2000万ドルという額を提示したと言われる。
同誌によれば今季のクビカは、有償でのドライバー契約を結んだとのことだ。テストやフリー走行でのクビカの走り、そしてシロトキンのコース上のパフォーマンス次第では、シーズン途中でレース出場のチャンスが巡ってくる可能性も十分にありそうだ。クビカ自身、そしてロズベルグも、それを視野に入れて今回の契約を結んだと考えていいだろう。