第40回大会にあたる2018年のダカールラリーは1月20日、アルゼンチンのコルドバを周回する最終ステージ14が行われ、カルロス・サインツ(プジョー3008DKR Maxi)が総合優勝。プジョーが大会3連覇を達成した。
この大会に改良型のバギーマシン『プジョー3008DKR Maxi』を投入したプジョー勢は、中止された1ステージを除く全13ステージ中、7ステージで最速タイムを記録。クラッシュを除けば大きなマシントラブルが起きることもなく、高い信頼性を発揮した。
過去の大会では表彰台を独占する強さをみせたプジョー勢だが、今年は序盤にセバスチャン・ローブ(プジョー3008DKR Maxi)がコドライバーの負傷で大会リタイアを余儀なくされたほか、前日のステージ13ではステファン・ペテランセル(プジョー3008DKR Maxi)がクラッシュで1時間以上タイムをロスするなど、順風満帆とは言えず。
それでもサインツは大きなクラッシュなどを起こさずステージ7で総合トップに浮上。その後はポジションを譲ることなく、最終的に43分40秒もの大量リードで総合優勝を飾った。
「うまくマネジメントしながら勝つことができた。本当に幸せだ」とサインツ。
「マシン開発に力を入れてきたから、なんとしても勝ちたかった。浮き沈みがあったけど、とにかく全力を尽くすよう心がけた」
「今年のダカールはとくにハードだった。今はこの勝利を楽しみたい。2019年のダカールにプジョーは参戦しないから、来年も参戦するかは分からない。家に帰って、妻や家族と話をして、そのあとにどうするか考えるよ」
総合2位は大会終盤に猛烈な追い上げをみせたナッサー・アル-アティヤー(トヨタ・ハイラックス)が獲得。総合3位は最終ステージ14を制したジニール・ドゥ・ビリエ(トヨタ・ハイラックス)が入り、トヨタが表彰台の2~3位を独占した。
また、ドゥ・ビリエのステージ14制覇でトヨタは4日連続のステージ勝利を飾っている。
総合4位は前日に立ち木へヒットするアクシデントがあったペテランセル。総合5位はプジョー勢、TOYOTA GAZOO Racing SA勢の後塵を拝したX-raid勢、ヤクブ・プシュゴイスキー(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)だった。
市販車部門5連覇に挑んでいたトヨタ車体はクリスチャン・ラビエル/ジャン-ピエール・ギャルサン組328号車トヨタ・ランドクルーザーが序盤にリタイアする不運があったものの、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組337号車が力走。
最終的に総合25位/クラス首位で14日間の戦いを終え、トヨタ車体は市販車部門5連覇を達成した。
トラック部門を戦う日野チーム・スガワラは、菅原義正/羽村勝美組521号車がステージ2でマシンスタックにより大会リタイアを余儀なくされたが、菅原照仁/高橋貢組511号車が総合6位で完走。排気量10リットル未満クラスをトップで終えている。
ホンダやヤマハ、KTMが接戦を繰り広げていた二輪部門は、レッドブルKTMチームのマシアス・ウォークナー(KTM450ラリー)が16分のリードで総合優勝。KTMが通算17回目の総合優勝を手にしている。
総合2位はモンスターエナジー・ホンダ・チームのケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450RALLY)、総合3位はトビー・プライス(KTM450ラリー)だった。
自身4度目のダカール挑戦で勝利し、オーストラリア人初のダカール二輪ウイナーに輝いたウォークナーは「勝てるなんて想像もしていなかったから、本当に驚いている」と喜びを語っている。
「僅差の戦いだったから表彰台に上がることを目標にしていた。(悪天候で走行がキャンセルされた)10日目(のステージ9)が勝利の鍵になったね。運が味方してくれたようだ」
「僕の他に5人のライダーが勝利する可能性を持っていたけど、僕が1番幸運なライダーだったみたいだ」
ペルー、ボリビア、アルゼンチンの3カ国を舞台に砂漠や高地、高速なオフロードなどが入り交じる「史上もっとも過酷なルート構成」で争われた2018年のダカールラリー。最終的に全行程を完走したのは全部門合計で185台となり、参加者のうち55%が完走を果たしている。