ダイムラー社の会長であるディーター・ツェッチェは、近年のメルセデスの圧倒的優勢はF1のためになっていないと考えており、F1の向上のためにはすべてのチームが競争力を上げる必要があると話している。
2017年シーズン、メルセデスは4年連続となるコンストラクターズタイトルを獲得。2014年にハイブリッドエンジン時代が始まって以来、類を見ないほどの強豪チームとなった。
メルセデスはF1に貢献しているものの、ツェッチェは他チームに大差をつけて勝つ状況が放置されることは望んでいないと話す。小さな差で勝つことが、レースのあるべき姿であると考えているからだ。
「我々はF1に居続けるために活動しているのだが、そのプラットフォームは有意義なものであるべきであり、前進を続けていくべきだ」とツェッチェはAutocar誌に語り、以下のように続けた。
「これまで何度も言ってきたように、タイトルを勝ち取るときには最終戦に1ポイント差で獲得するのが最善だ。昨シーズンの後半はサーキットにいても、何と言えばいいのか分からなかったよ!」
「もちろん我々は成功を望んでいるし、プラットフォームの部分についても上手くいっていてほしいと思う。しかしひとつのチームだけが優勢では、そうはいかない」
「我々にはもっと強いライバルと、全員が新しいマシンを導入するようなルール変更が必要だ。ある意味で、昨シーズンはそうした変化を示唆する年だった」
F1の将来の方向性と競技のDNAを保持するという部分に関して言えば、ライバルであるフェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長と同意見であるとも、ツェッチェは述べている。
「我々は敵同士であると同時に友人同士でもある」
「コースでは必死になって互いを打ち負かしあい、常に0.1秒のアドバンテージを得ようとしている。しかし同時に、F1に対する考えや戦略という点では、我々は100パーセント同調している。我々は良い友人同士なのだよ」