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濱田岳、徳永えりへプロポーズ3連発 『わろてんか』節目の“前編”を振り返る

2018年01月21日 06:02  リアルサウンド

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 『わろてんか』(NHK総合)ヒロインのてんを演じる葵わかなにインタビュー(葵わかなが語る、『わろてんか』てん役を通しての成長 「常に向上心をもって演技をしていきたい」)した際、「1月の放送ではものすごく大きいことが起こります。撮影はいつも楽しかったけれど、唯一辛かった」と話していた。それが今週から始まった第16週「笑いの新時代」と次週の第17週「ずっと、わろてんか」。前後編の『わろてんか』にとって大きな節目の物語となる。


参考:『わろてんか』折り返し地点でさらに面白く てんたちの奮闘が描く、近代芸能史の輪郭


 元号は大正から昭和へと変わり、世の中も笑いも大きく様変わりを遂げた頃、脳卒中で藤吉(松坂桃李)が倒れてしまう。様々な面々が見舞いに訪れる中、団吾(波岡一喜)は、寄席を脅かす新しい波・ラジオに出演し、風鳥亭の者たちを心配させる。しかし、蓋を開ければ噺家として落語「死神」で、ラジオの向こうにいる藤吉にエールを送るという物語であった。これに感化された風太(濱田岳)がついにトキ(徳永えり)へとプロポーズを決める。これまでずっといじらしい関係が続いていた2人。『わろてんか』の中でも注目されていた恋模様の一つだ。


 意を決し「結婚してください。嫁さんになってください。一生そばにいてください」と3連発でプロポーズをする風太。これは、ずっと素直になれず、好きの裏返しの行動をしていた反動によるもの。第16週では、キース(大野拓朗)とアサリ(前野朋哉)に「お前らはよ、結婚せや」と冷やかされた風太が、トキに花束を差し出し「Marry me」とプロポーズする場面もあった。しかし、トキはその英語の意味が分からず、風太の気持ちは伝わらなかった。だからこそ、念押しの3連発だったのだ。


 「ほんまにウチでええの?」と、トキはプロポーズを受け入れる。返答まで、うつむき長考するトキに、風太は心配そうな顔を浮かべるが、トキの返事を聞き、その表情はたちまち笑みに変わる。しかし、そこは風太の小さなプライドが許さない。腕を組み、そっぽを向いて、「結婚したら俺の3歩後ろを歩け。飯には甘いもんを一品付けろ。それと、一番大事なことや。俺より、絶対長生きせえ」と亭主関白な性格とともに、トキへの愛情を滲ませた。振り返る風太、そしてトキの瞳には涙がたまっている。短いシーンの中で、様々な表情を見せる濱田の演技が光った一幕だった。


 さらに、第17週「ずっと、わろてんか」の予告では、トキのお腹に耳を当てる風太の姿が。そして、冒頭で先述した通りに、今週と来週は前後編の物語。アメリカへと渡米していた藤吉の母・啄子(鈴木京香)がサングラスをして帰国してくるのが確認できる。また、気になるには藤吉の容態であるが、伊能(高橋一生)に「てんのことをどう思うてる?」と諭すように質問する藤吉、「こんな楽しい人生滅多にありまへんえ?」と涙を流す藤吉に言い聞かせるてんの姿も。次週は『わろてんか』にとって、大きな一区切りとなるだろう。(渡辺彰浩)