マイケル・アンドレッティと共にインディ500勝者に送られるベイビーボルグを受け取った佐藤琢磨 2017年のシーズンオフはインディ500優勝もあって例年以上に各所に引っ張りだこだった佐藤琢磨だが、2018年も年明け早々から忙しいようだ。
新年はアメリカから帰国するとそのまま東京オートサロンに現れ、ブリヂストン、ホンダ、NGKなどでトークショーに出演した琢磨だったが、日本滞在およそ72時間ですぐさまアメリカに戻った。
アメリカでは直接デトロイトに入り、北米最大のモーターショーに現れた。
ここではボルグワーナー社によるトロフィーの贈呈、通称ベイビーボルグの授与式があった。ベイビーボルグとはボルグワーナーの縮小版でボルグワーナートロフィーと同じ彫刻が台座に刻まれており、昨年のインディ500ウイナードライバーとチームに贈られる。
琢磨はマイケル・アンドレッティとともに会場にスーツ姿で現れ、ボルグワーナー社ジェームス・ベリアCEOからベイビーボルグを受け取った。琢磨はそのままマイクの前に立つと「インディ500の優勝から8カ月経ちましたが、こうしてトロフィーを受け取るとあの喜びがよみがえってきますね。ボルグワーナートロフィーは、昨年2週間日本に来て一緒にホンダレーシングサンクスデイをはじめ多くの場所を回ってくれました」
「アメリカを決して出ることのなかったトロフィーを、日本で見ることができたファンは幸せだったと思います。本当にボルグワーナー社には感謝しています。あと4カ月でもう今年のインディ500が始まります。マイケルは望んでいないだろうけど(笑)、今年もインディ500で勝って、来年この会場でお会いしたいですね」と場内の笑いを誘った。
マイケルも「琢磨は日本人で初めてインディ500を制し素晴らしい仕事をした。私自身がこのトロフィー(ボルグワーナー)に顔を刻むことはなかったが、チームとしては5つ目の勝利を飾ることが出来たのは光栄に思う」とコメントした。
袂を分かち今年はライバル同士としてインディ500を戦うが、共にディフェンディングチャンピオンとして優勝争いに加わることだろう。
デトロイトでベイビーボルグを受け取った琢磨は、翌日インディアナポリスに飛んだ。
まだ雪もあり氷点下のインディアナだったが、琢磨はインディアナポリス・モータースピードウエイ(IMS)のバナーのオープニングにのぞんだ。今年は“THIS IS MAY”というキャッチフレーズの元にインディ500に向けてのPRキャンペーンが始まったが、その一環として昨年のビクトリーサークルの琢磨の写真がゲート入り口に大きく掲げられ、そのオープニングセレモニーを行った。
琢磨は命綱をつけてクレーンに乗ると、大きなバナーの最後の一本のワイヤーを締め上げて、バナーの設営が完了。クレーンの上から大きく手を振って、地元TVや取材陣の呼びかけに応えた。
琢磨はメディアに対し「昨日ベイビーボルグを受け取ったばかりだし、この写真を見てるとインディ500で勝ったのが昨日のことのように思い出されますね。こんなに大きなバナーを飾ってもらえるなんて、本当に光栄なこと。今年は9年目の挑戦になりますけど、今年のインディ500挑戦が今から楽しみです」と応えた。
この後の琢磨はプライベートトレーニングなど、体力作りのプログラムをこなしつつ、今月末にフロリダで行われる予定のテストにのぞむ予定だ。