1月25~28日の第1戦モンテカルロで2018年シーズンが開幕するWRC世界ラリー選手権。2017年にシリーズへ復帰参戦し、今年で復帰参戦2年目を迎えるTOYOTA GAZOO Racing WRTは、3台体制でシーズン開幕の戦いに臨む。
2017年、18年ぶりにWRCへ参戦を再開したトヨタ。復帰初戦となった2017年第1戦モンテカルロではエースのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2位表彰台という望外の結果を獲得し、その後の第2戦スウェーデン、第9戦フィンランドでの優勝やチームランキング3位獲得という結果への弾みとした。
復帰2年目となる2018年、トヨタはエースのラトバラと若手エサペッカ・ラッピを継続起用。3人目のドライバーには新たに長年Mスポーツに在籍していたオット・タナクを迎え入れた。
タナクは2017年にシーズン2勝を挙げ、ドライバーランキング3位を獲得した逸材。時にクラッシュを招くこともあるが、アグレッシブな走りが魅力で、ラリー関係者からの評価は高く、ファンからも熱い支持を受けている。
投入するマシンは、2017年同様にトヨタ・ヤリス(日本名ヴィッツ)をベースとしたヤリスWRC。2018年型はフロントの空力デザイン見直しや冷却系の見直しなどが図られている。
■「昨年の今ごろは自分たちの実力を完全には理解できていなかった」とマキネン
引き続きチーム代表として陣頭指揮を執るトミ・マキネンは「昨年の今ごろはまだヤリスWRCのデビュー準備を進めていたが、自分たちの実力を完全には理解できていなかった」と語る。
「しかし、来るべきシーズンはより一貫性をもってシーズンを戦えると信じている。それは選手権のタイトルを争う上で必要なことだし、去年1年間学び続けた自分たちの目標だ」
「昨年の最終戦ラリー・オーストラリア終了後、それほど長い休みがあったわけではないが、クルマをさらに良くするため非常に忙しい日々を送った。ラリー・モンテカルロはつねに、シーズン開幕戦としては難しいイベントとなる」
「私は過去にドライバーとして4回優勝したが、その当時はそれほどしっかり準備をしなかったと思う。ラリーのことは考えず、スキーに行っていたくらいだった」
「それと比べれば、我々の3人のドライバーは充分なテストを行ない入念な準備ができているから、良い結果を期待しているよ」
チームを引っ張るエース役を務めるラトバラは「我々3名のドライバーはいずれも2017年に優勝をおさめており、とても強力な体制だ。全員が優勝を目標に戦えば、きっとチームに良い結果をもたらすはずだ」とコメント。
ラッピは「モンテカルロは経験がとても重要なラリーで、すべてのSSを走りきることを目標に置いて戦うつもり」と語り、タナクは「カレンダーのなかででもっとも難しいラリーだが、ライバルに対してどれくらい競争力があるのかを見ながら戦いたいと思う」と意気込んでいる。
2018年のWRC開幕戦となるラリー・モンテカルロはモナコ公国とフランスをまたぐ形で行われる伝統の1戦。競技区間のSS(スペシャルステージ)が設けられる山岳地帯は天候が変わりやすく雪やターマック(舗装路)が入り混じり、ところどころ凍結したアイスバーンが隠れるなどコンディションが刻一刻と変化するため、シリーズ屈指の難度を誇る。
競技は24日にフランス・ギャップでシェイクダウンが行われた後、25日の夜にモナコのカジノ広場で行われるセレモニアルスタートで開幕。初日はSS1~2が行われる。
翌26日はSS3~8までの6SS、27日はSS9~13の5SSが行われ、最終日はSS14~17の4SSで構成。4日間合計で全17SSが行われ、SS距離は388.59km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1642.40kmとなっている。