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2018年シーズンのF1注目ポイント(4):ホンダは完全復活なるか? ドライバーマーケットの動向にも注目

2018年01月19日 15:42  AUTOSPORT web

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ホンダは、2018年からトロロッソと組み、F1活動を行っていく
F1iのテクニカルエキスパート、ニコラ・カルパンチエが2018年のF1シーズンの注目ポイントを全4回に分けて紹介していく連載企画。最終回の今回は、2019年に向けたドライバーマーケットの最新事情。そして、新たにトロロッソと手を組むホンダが完全復活するためのカギを紐解く。

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■大きく動く? ドライバーマーケット
 今季はトップ3チームの6人のドライバーのうち、4人が契約満了となる。メルセデスのルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス、フェラーリのキミ・ライコネン、そしてレッドブルのダニエル・リカルドである。そのなかでハミルトンは、残留すると見ていい。

 一方で2つ目のシートに関しては、さまざまな観測が渦巻いている。ボッタス自身はもちろん契約延長を望んでいるわけだが、そのためにはかなりの結果を残す必要がある。他にふたりのドライバーが、この座を狙っているからである。

 まずリカルド。今季末までの契約をレッドブルと結ぶ際にも、リカルドはマシン戦闘力を見極めるためにぎりぎりまで決断を引き伸ばしていた。何より彼はハミルトンのチームメイトになる意思を隠そうとしていない。

 もしリカルドがメルセデスに移籍するようなことになれば、レッドブルはルノーからカルロス・サインツJr.を引き戻し、再びマックス・フェルスタッペンと組ませることになるだろう。

 もうひとりのナンバー2候補は、メルセデスドライバーのエステバン・オコンである。トト・ウォルフは昨年セルジオ・ペレスと何度も同士打ちを演じたことを必ずしも評価していないが、今季これまで以上の活躍を見せれば、十分に可能性はある。

 ボッタス同様にシート確保の努力が必要なのが、ライコネンである。去年はモナコでポールポジションを獲得し、一発の速さ健在を印象づけた。しかしセバスチャン・ベッテルに対し112ポイントもの差を付けられたのは、あまりに物足りない。

 フィアットの総帥セルジオ・マルキオンネも、「2018年がキミのラストチャンスだ」と言明している。そして彼のイチオシは、ザウバー・アルファロメオから今季F1デビューを果たすシャルル・ルクレール。一方でペレス、ロマン・グロージャンも、候補に上がっている。

■ついにホンダは完全復活する?
 今季からトロロッソと組み、来季以降はレッドブルとも提携すると見られているホンダ。はたして今季の彼らは、どれほどの戦闘力を見せられるだろう。

 まずプラス面からいえば、プレッシャーの少なさ、政治的な動きのなさは、マクラーレン時代とは比べ物にならない。ホンダのエンジニアたちは、伸び伸びと開発に集中できるはずである。

 さらに今季のホンダは3年前の復帰以来初めて、同じコンセプトのパワーユニットを使用する(2016年はターボ径を大きくし、2017年はターボコンプレッサーをVバンクから移動した)。キープコンセプトのおかげで性能向上と一定の信頼性確保が可能になるはずだ。

 年間3基の使用制限は確かに大きなハードルだが、それでも上位3メーカーとの差は確実に縮まるのではないだろうか。