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世界ラリークロス:英国からニューカマー、独自開発の『ミニ・クーパーS』が参戦

2018年01月19日 12:32  AUTOSPORT web

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シンプソン・モータースポーツが開発を手がける『ミニ・クーパーS スーパーカー』
WorldRX世界ラリークロス選手権に、また新たなマシンが参戦する。イギリス人ドライバーのオリバー・ベネットは、イギリス・バーミンガムで開催された『オートスポーツ・インターナショナル・ショー(ASI)』の会場で、独自開発のミニ・クーパーS RXスーパーカーを初公開した。

 お披露目されたニューマシンは、まだラリークロスでのキャリアは2年たらずというベネットが開発プロジェクトを主導し、2018年シーズンからのWorldRXデビューを計画。第4戦の母国ラウンドにも参戦する予定だという。

 すでに昨年のイギリス・リデンヒル戦でWorldRXデビューを果たし、フォード・フィエスタRXスーパーカーをドライブ、英国ラリークロス選手権では表彰台にも上った経験を持つベネットは、今季新たに『スピードマシン・フェスティバル』と銘打ち、シルバーストンを舞台に生まれ変わるWorldRXイギリス・ラウンドにミニ・クーパーS RXスーパーカーでエントリーしたいと語る。

「そのシルバーストンをハイライトに、ヨーロッパで開催されるWorldRXイベントにはすべて参加するつもりだ。それに北米でのイベントも加えてね」とベネット。

「すでに候補となるお気に入りの6戦をピックアップ済みで、スペイン(バルセロナ)、UK(シルバーストン)、ノルウェー(ヘル)、スウェーデン(ホルヘ)、フランス(ロエアック)、そしてUSA(COTA)を計画している」

「今僕らは、残りのWorldRXイベントも加えてフルタイムのエントリーが可能になるよう、参戦資金獲得のためのスポンサーシップ・キャンペーンを展開中なんだ」

 このまったく新しいミニのラリークロス車両は、すでに存在するミニ・クロスオーバーをベースとしたものではなく、3ドアの現行ミニであるF56型をベースとしており、開発作業をイギリスのシンプソン・モータースポーツが担当。

 同じく、2018年からWorldRXに従来型のR60ミニ・クロスオーバー・ベースのマシンを復活させる計画を進めている、リアム・ドーランのLDモータースポーツがエンジニアリング面でのサポートを行っている。

「このマシンを選んだ最初の理由は、僕がイギリス人だからだ。それにオール・ブリティッシュ・チームでの参戦を実現したかった。第2に『ミニ・クーパーS RXスーパーカー』を使用したメディア露出戦略を採用することは、僕らの運営するXITE Racingのブランディングに一致していて、この車種選択は完璧だと思ったからなんだ」とベネット。

「それに、ベースとなるシャシーの性能が当初の予想以上に高く、RXマシンを作るのに完璧なフィットを見せたのも最高だった」

 また、同じくイギリス人ドライバーであり、3度のBRCイギリス・ラリー選手権王者でもある大ベテラン、マーク・ヒギンズも2018年シーズンのWorldRX参戦を計画している。

 スバルWRX STIによるマン島TTの4輪レコード保持者でもあるヒギンズは、アルバテック・レーシングのプリペアしたプジョー208RXスーパーカーのステアリングを握る予定で、少なくとも英国ラリークロス選手権の開幕2戦に出場。そのまま5月開催のWorldRXシルバーストン戦にもエントリーしたい、との意向を示している。

 このプロジェクトにはチームのオペレーションを担当するアルバテックに加え、ボルトン大学モータースポーツ・エンジニアリング科(University of Bolton's National Centre for Motorsport Engineering/NCME)とのパートナーシップを締結。学生たちがマシン開発とチームオペレーションを学ぶカリキュラムが予定されている。

「600馬力のマシンを大観衆の前で一緒に楽しめるなんて、最高のカテゴリーだ。以前から世界選手権がシルバーストンに移ったことで、参戦する可能性を探っていた。すべてはそこから始まった話なんだ」と、ヒギンズ。

 英国ラリークロス選手権の開幕戦は3月の開催となり、その舞台はシルバーストンであるため、ヒギンズにとっては5月のWorldRXデビュー戦を前に新設されたコースを試す、良い機会ともなりそうだ。