第40回大会にあたる2018年のダカールラリーは1月18日、アルゼンチンのチレシトからサンフアンを目指す793kmのステージ12が行われ、ナッサー・アル-アティヤー(トヨタ・ハイラックス)がステージ優勝を飾った。なお、二輪部門とクアッド部門については天候と安全上の理由からステージがキャンセルされている。
今大会最長の523kmというSS距離で争われたステージ12は砂漠地帯や、速度の出やすいオフロード、岩が多くバンピーなセクションなど、さまざまな路面コンディションが入り交じる状況で、ここまで12日間に渡り戦ってきたドライバー/ライダー、マシンをさらに苦しめる1日となった。
総合順位でトップから1時間以上遅れており、通算3度目の総合優勝には手が届きそうにないアル-アティヤーだが、このステージ12では序盤から猛プッシュ。2度のパンクに見舞われながらも、ステージ2位のステファン・ペテランセル(プジョー3008DKR Maxi)を2分3秒差で抑えてみせた。
これでアル-アティヤーは今大会通算3度目のステージ優勝。キャリア通算では30回目のステージ優勝となり、通算31ステージ優勝を飾っているカルロス・サインツ(プジョー3008DKR Maxi)にあと1勝と迫っている。
「後半セクションではプッシュしたけど、それは総合3番手の座を盤石にするためだった」とアル-アティヤー。
「途中2回のパンクがあり、そこで4分程度はタイムを失ってしまった。簡単な1日ではなかったよ。(総合4番手でチームメイトの)ベルンハルト(テン・ブリンク)もいい走りをしているし、彼とバトルできるのは光栄だよ」
「大会は残り2日だが、何が起きるか分からない。ベルンハルトとの差は約12分とわずかだから、何が起きても不思議ではない」 総合順位はトップがサインツ、2番手にペテランセルという構図は変わらず。ただし、その差は44分41秒まで縮まっている。
総合3番手以下はアル-アティヤー、テン・ブリンク、ジニール・ドゥ・ビリエ(トヨタ・ハイラックス)とTOYOTA GAZOO Racing SAが確保。総合6番手はX-raidのミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリーを操るヤコブ・プシュゴイスキーとなっている。
市販車部門5連覇に挑んでいるトヨタ車体は、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組の337号車トヨタ・ランドクルーザーが足回りにダメージを負いながらもステージ33位、総合26番手で完走。
トラック部門を戦う日野チーム・スガワラは菅原照仁/高橋貢組511号車がステージ12位、総合8番手でステージを走りきった。
二輪部門に関しては天候と安全上の問題を理由にステージがキャンセルされたため、ライダーたちは自走でビバーク地のサンフアンへ移動。そのため総合順位にも変動はなく、マシアス・ウォークナー(KTM450ラリー)、ケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450RALLY)、トビー・プライス(KTM450ラリー)というトップ3になっている。
2018年のダカールは残り2ステージ。1月19日のステージ13はサンフアンからコルドバを目指す構成で、SS距離は二輪部門のみ424km、四輪・トラック部門は369km、総走行距離は907kmと929kmとなっている。