TCRベネルクスを中心に、2017年のインターナショナル・シリーズにも参戦したDGスポーツ・コンペティションが、2018年創設のWTCRワールド・ツーリングカー・カップ参戦に向けて、プジョースポールのプログラムに協力して2台のプジョー308TCRをスタンバイ中だと明かした。
このベルギーのチームは、2017年のTCRインターナショナルではマット・オモラのドライブでオペル・アストラTCRを投入。一方、地元のベネルクス・シリーズではオペル・アストラのほか、プジョー308レーシングカップ(TCR規定準拠)を走らせており、同チームに所属するオーレリアン・コンテは、シーズン終盤のTCRヨーロピアン・トロフィーにも同じプジョーで参戦し、このアドリアでの1戦を制している。
WTCC世界ツーリングカー選手権がTCRインターナショナル・シリーズと併合し、新たにWTCRに生まれ変わったのを受け、チーム代表のクリスチャン・ジャスピンは活動予算の増大を決定。まだ確定事項としてはアナウンスされていないものの、プジョースポールのバックアップを受け、WTCRに本格参戦する計画だ。
「我々はプジョースポールが開発した2018年型のプジョー308TCRのポテンシャルにとても自信を持っているし、チームのドライバーラインアップも早々に発表できると考えている」と、ジャスピン。
「WTCRの年間予算はTCRインターナショナル・シリーズと比べても増加することが確実なので、このプロジェクトの確定に時間を要している」
「ただし、スポンサーやパートナーが得る見返りは、TCRインターナショナル時代に比べても明らかに高くなるだろう。それこそ、シリーズがFIAワールド・ツーリングカー・カップに進化したメリットだ。これがプロジェクトの最終確定に役立つと思っている」
一方、イタリアのJASモータースポーツが開発を手がけたFK8型のホンダ・シビック・タイプR・TCR(ベース車登録はFK7型)は、先日のドバイ24時間で実戦デビューを果たし、上々のパフォーマンスを披露。
ただしその本戦を前に早速、初めてのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)規制が発動し、40kgの追加バラスト搭載とブースト圧低減措置がとられた。
これにより車両重量は1325kgとなり、以前のモデルであるFK2型のシビック・タイプR・TCRに比べ20kg増加。そして約2.5barに抑えられたブースト圧により、最高出力は95%に低下している。
また、初年度のWTCRには、昨年までステファノ・コミニ、フレデリック・バービッシュとともに参戦したコム・トゥ・ユー・レーシングが正式にエントリーを表明。そのドライバーとして、ベルギー人のデニス・デュポンを起用すると発表した。
デュポンは2017年のTCRインターナショナル最終2戦に、同チームの用意したセアト・レオンTCRで参戦。さらに、ここ2年はチームWRTからTCRベネルクスにも参戦していた。
その他、セアト・レオンTCRの3台体制でTCRインターを戦ってきたクラフト-バンブー・ルクオイルも、WTCRへのエントリーを予定している。