第40回大会にあたる2018年のダカールラリーは1月16日、アルゼンチンのサルタからベレンへ向かう797kmのステージ10が行われ、ステファン・ペテランセル(プジョー3008DKR Maxi)がステージ優勝を飾り、総合2番手に浮上した。総合トップには依然としてカルロス・サインツ(プジョー3008DKR Maxi)がつけている。
15日のステージ9が悪天候の影響でキャンセルされたため、1日ぶりの走行となった2018年のダカールラリー。ステージ10の舞台は今大会3カ国目の国、アルゼンチンだ。
ステージ10のSS距離は373km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は797kmと長丁場。また、この日のアルゼンチンは日陰でも摂氏40度以上という灼熱となった。
ステージ8を制して好調を維持しているペテランセルは、この日もスタート直後から独走。ステージ2位を獲得したジニール・ドゥ・ビリエ(トヨタ・ハイラックス)に対し、8分46秒もの大差をつけてフィニッシュした。
また、総合2位の座を争っていたナッサー・アル-アティヤー(トヨタ・ハイラックス)がメカニカルトラブルで失速し、ステージ10位に終わったこともあり、ペテランセルはポジションをひとつあげて総合2番手を確保。プジョー勢がふたたびワン・ツー体制を築いている。サインツとペテランセルのギャップは50分35秒だ。
「できる限りベストを尽くした。今日はペースをコントロールする“マネジメントモード”ではなく、完全にアタックモードで走ったよ!」と語るのはステージ優勝を飾ったペテランセル。
「先頭走者だと分かっていたから、可能な限り全速でプッシュした。川を渡るエリアでは岩も多く、道端にはダンパーの冷却を妨げる枯れ草も多いトリッキーなコンディションだった」
「コドライバーにも難しいナビゲーションを要求されるステージだったけど、大きなミスなく走りきれた。これ以上の走りはできなかったと思うよ」
市販車部門5連覇に挑んでいるトヨタ車体は、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組の337号車トヨタ・ランドクルーザーがステージ32位を獲得。総合では26番手と堅実な走りを続けている。
トラック部門を戦う日野チーム・スガワラも菅原照仁/高橋貢組511号車がステージ11位、総合8番手でステージ10を走りきった。
総合首位から6番手までは10分以内に収まる接戦が繰り広げられていた二輪部門では、ケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450RALLY)やホアン・バレダ(ホンダCRF450RALLY)、トビー・プライス(KTM450ラリー)らがコースを見失って10kmほど迷走。大きくタイムをロスしてしまう。
これで総合首位のエイドリアン・バン・ベーフェレン(ヤマハWR450F)がポジションを盤石にしたかと思われたが、フィニッシュまで残り5kmを切ったところでハイスピード転倒。そのまま病院へ検査に向かうことになり大会リタイアとなった。
これにより総合首位にはマシアス・ウォークナー(KTM450ラリー)が浮上。39分42秒後方にバレダ、41分23秒後方にベナバイズとホンダ勢が続いている。
ステージ10が終了し、2018年のダカールラリーは残すところ4ステージのみ。1月16日のステージ11は、アルゼンチンのベレンからチチカカへ向かう構成だ。SS距離は全クラス共通で280km、総走行距離は二輪部門のみ485kmで、そのほかの部門は747kmとなっている。