2018年のダカールラリーに参戦しているチーム・プジョー・トタルは、現在総合首位を走るカルロス・サインツ(プジョー3008DKR Maxi)に課せられた10分ペナルティに対し、抗議を行った。
1月14日のステージ8終了時点で1時間6分37秒のリードで総合首位を走っていたサインツ。しかし、彼は13日のステージ7で、クアッド部門に参戦しているキーズ・コーレン(マクシス・スーパーB)を交わす際、接触したにもかかわらずマシンを止めなかったと指摘されていた。
これを受け、スチュワードは15日にサインツの聞き取り調査を実施。サインツは、コーレンを交わす際に接触などはなかったと述べ、また危険を避けるために加速してコーレンを交わしたと述べた。
調査後、スチュワードは今回の件についてサインツ側に非があるとして10分のタイム加算ペナルティを決定。この結果、サインツのリードは56分37秒まで縮まることになった。
しかし、チームは不当かつ不正な裁定であるとして、抗議の意思を表明。プジョー・スポールでディレクターを務めるブルーノ・ファミンは「今回の裁定は不可解だ。確かなことはなにもなく、ただライダーの証言があるだけだ」とのコメントを発表している。
「我々の見解では、クアッドマシンと我々のマシンのあいだに接触はなかった。我々が持つデータも、カルロスが正しい動作を行ったことを示している」
「また、今回疑義を提出したクアッドライダーは当該ステージを12位でフィニッシュしている上、(メカニックらによる整備が禁止される)マラソンステージである翌日も10位を獲得している」
「この10分ペナルティについては明確な“意思”を感じる。スチュワードは、カルロスが接触しなかったにもかかわらず、マシンを止めるべきだったと言っているんだ」
「それに仮にカルロスの行動が正しいものでなかったとしても、それはラリーに影響が出るタイムペナルティではなく罰金になるべきだ」
「当然、我々としては抗議する。この結果、2018年ダカールラリーのウイナーはラリー終了後には確定しないことになる」
「今後も自然との厳しい戦いが続くことになるが、そのなかで我々のもつマージンが1時間6分なのか、56分なのかは大きな違いを生む」
サインツ自身も「今回の裁定には驚きを隠せないし、クアッドライダーの証言はまったく現実的なものではない」と述べた。
「私はアクシデントを避けるためにするべきことをした。コーレンに起きたことは残念だがね」
「彼が私の前を走っている時、バランスを崩すのが見えた。私たちの周りには充分なスペースがあったが、片側は泥状にぬかるんでいたんだ」
「コントロールを失ったクアッドマシンが、私のライン上に飛び出してきたから、接触を避けた。確かに距離は近かったが接触なんてものは起きなかった。なにより、彼はステージ12位を獲得しているんだ」
「もちろん、仮に接触していたら私はマシンを止めていた。今回の裁定にはまったく同意できないよ」