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日本アカデミー賞新人俳優賞も受賞 ブレイク必至女優・浜辺美波、2018年はさらなる飛躍の年へ

2018年01月16日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 ギャンブルの強さですべてが決まるという学園を舞台にした奇抜な設定で話題となった大ヒット漫画を実写ドラマ化したMBS・TBS系列ドラマイズム『賭ケグルイ』がいよいよ放送される。昨年7月期に放送されたアニメ版は、タイトル通りに狂った表情を見せるキャラクターたちの強烈なインパクトで、第2期の制作も決定するなど人気を博した。


 今回の実写版で主人公・蛇喰夢子を演じるのは昨年公開された映画『君の膵臓をたべたい』でヒロインを演じた浜辺美波。本作と同じドラマイズム枠で一昨年暮れに放送された『咲-Saki-』では、類い稀なる麻雀センスを持った主人公・宮永咲を演じた彼女。キャラクターのイメージが定着してしまう漫画原作を、ファンの期待を削がずに忠実に演じることに関してはお手の物だろう。


 しかしながら、今度はおしとやかな一面と、リスクを顧みない異常なギャンブラーとの二面性を演じるだけでなく、この作品の目玉ともいえる強烈な表情の芝居が重要となってくる。学園内の最強ギャンブラーを相手に、一度手合わせをして負けてから二度目の勝負を懇願し、相手のイカサマを見破りながら徹底的に打ちのめす。そこで一気に火がついたように表情を変えるのが、この夢子というキャラクターの見せ場となるのだ。


 もっとも、ドラマ版の演出を務めるのは現在公開中の『未成年だけどコドモじゃない』などコメディー演出に長けた英勉。ともなれば、ダークな雰囲気というよりはコミカルでテンション高めの、いわゆる“顔芸”芝居となるわけだ。いずれにしても、これまで彼女が見せてきた雰囲気からガラリと変わった役柄になることは間違いない。


 前述した『君の膵臓をたべたい』で病に侵されるヒロインを見事に演じきり、ついに代表作と呼べる作品を得た彼女(参考:『君の膵臓をたべたい』は特別な“初恋映画”だーーヒロイン・浜辺美波のノスタルジックな魅力)。そこでの演技が認められ、第41回日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞している。つづく『亜人』では主人公の妹役を演じるなど、なんだかすっかり病弱で儚げな役柄が板についてきた印象を受ける。そんな彼女は、1月20日から公開される『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』で、自身が演じた宮永咲の姉・宮永照を演じ、同じ作品の中で別の役柄を演じるという離れ業に挑戦したのである。


 2018年始まって早々『賭ケグルイ』と『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』と、2つの難役にチャレンジした彼女。今年ブレイクを遂げるであろう若手女優の筆頭として、まさに揺るがないはずだ。それを裏付けるように、すでに2本の出演映画の公開も決定している。


 まずはアニメ版も高い人気を博した話題作『となりの怪物くん』が4月に公開。菅田将暉演じる問題児ハルに思いを寄せる学級委員長を演じる浜辺は、彼女のイメージそのままに真面目で大人しい雰囲気を漂わせる。原作同様にメガネをかけたキャラクターは、なかなか様になっている。


 そしてもう一本は、2015年に大ヒットを記録した『ヒロイン失格』の原作者・幸田もも子の人気漫画を実写化した『センセイ君主』。ついに少女漫画原作“キラキラ”映画のヒロインに初挑戦するということが何よりも楽しみな作品だ。相手役は人気急騰中の竹内涼真で、浜辺はまっすぐすぎる不器用な主人公を演じる。コメディー作品に出演したことはありながら、純然としたコメディーリリーフを演じたこともなく、もちろんラブコメディーも初挑戦。


 しかも、この両作ともに『君の膵臓をたべたい』で彼女の魅力を存分に引き出した月川翔監督の新作なのだから、ますます期待値は上がる。浜辺美波という女優の良さを誰よりも理解している月川監督の手腕に導かれて、2018年の彼女は大きな飛躍を見せてくれるに違いない。(久保田和馬)