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銀座テーラーの職人から学べる「日本テーラー技術学院」初心者もプロ並みの紳士服作り

2018年01月15日 15:03  Fashionsnap.com

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「日本テーラー技術学院」卒業生の(左から)園山織衣さん、吉田朋弘さん Image by: FASHIONSNAP
「銀座テーラー」の職人が講師を務め、服作りのプロを育成する「日本テーラー技術学院」が、2018年度の募集を開始する。専門的で高度な技術が求められるテーラーの世界はハードルが高いイメージがあるが、プロを目指している生徒だけではなくカルチャースクールとして通う未経験者も多い。同学院ではどんなことが学べるのか。講師を務める卒業生に体験談を聞いた。

 日本テーラー技術学院では、銀座テーラービルディング8階にある工房を開放し授業を行う。講師は銀座テーラーの職人が担当。テーラリングの全行程が体験できる「通年コース」に加え、短期コースとしてメジャーリング技術や体型の読み取り方を学べる「採寸コース」、基礎的な製図および仮縫い、補正までのテクニックが体験できる「型紙コース」、テーラードジャケットの仕立てを学べる「ジャケット縫製」、シルエットが美しいパンツ縫製の技術を学べる「パンツ縫製」がある。
 9年前に通年コースを受講した第3期生の吉田朋弘さんは、入学前にオーダーメードの縫製工場を経験。分業制の工場とは異なり、採寸から仮縫い、補正、縫製まで一貫して学べる同学院に魅力を感じ、セミナーを経て入学を決めた。通年コースでは1年でジャケットとパンツのスーツ1着を制作。吉田さんは「手縫いによって1着を作り上げる一つひとつの工程が目から鱗で、面白さを改めて感じた」と当時を振り返る。現在は、銀座テーラーの縫製士として日々洋服作りに励んでいるという。
 吉田さんと同期の園山織衣さんは、ウィメンズアパレルのデザイナー経験者。「銀座を歩いていて、ウインドウ越しに見た仮縫いのスーツが格好良かった」というきっかけでテーラーに挑戦した。婦人服ではキャリアを積んでいたため授業についていける自信はあったが「縫い代の設定の違いなど多くの部分でノウハウが通用しなかった」とし、仕立ての違いに驚いたという。
 授業では講師が見本を見せた後、生徒は基本的に一人で実践に取り組むが、マンツーマンのサポート体制が最大の特長だ。園山さんは、サポートを受けながら夫用のジャケットを制作した。「完成品を主人に着てもらい『肩が全然凝らない』と喜ばれた嬉しさと、"紳士服を作れた"という感動の両方を味わえた。作りたいものが増えて世界が広がったと思う」。現在、同学院の講師としても活動する吉田さんは「テーラリングの技術は洋服の基礎。服作りに携わる人が学ぶことは絶対に糧になると思う」と話している。
 短期の採寸コースの受講者の中にはセレクトショップの販売員も多い。昨今ではスーツをはじめオーダーサービスが増えてきているが、採寸の技術を教えることができる中年層が少ないという。銀座テーラーの担当者は「相談の場としても活用してほしい」と呼びかけている。
 募集に先立ち、職人技を身近に見学できる採寸&縫製セミナーを、2月3日、10日、25日、3月10日に開催する。定員は15人で、会費は無料。
■「銀座の職人から学べる」採寸&縫製セミナー、日本テーラー技術学院説明会開催日:2018年2月3日(土)、2月10日(土)、2月25日(日)、3月10日(土)時間:13:00~15:00定員:15人会費:無料場所:東京都中央区銀座6-4-18 マキシ・ド・ピアビル6階
■2018年度「日本テーラー技術学院」各コース詳細<通年コース>「技術者養成課程」期間:1年(週1回×48回)、開始月:4月<短期コース>1「採寸コース」期間:1カ月(週1回×4回)、開始月:4、8、12月2「型紙コース」期間:3カ月(週1回×12回)、開始月:5、9、(2019年)1月3「ジャケット縫製コース」期間:8カ月(週1回×32回)、開始月:8月4「パンツ縫製コース」期間:4カ月(週1回×16回)、開始月:4月
■問い合わせ先日本テーラー技術学院住所:東京都中央区銀座5-5- 16 銀座テーラービルディング9階電話番号:03-3574- 6891メール:gakuin@gintei.com
銀座テーラー:公式サイト