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芳根京子、瀬戸康史、松井玲奈らは個性豊かなキャラクターをどう演じる? 月9『海月姫』への期待

2018年01月15日 12:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 1月スタートの新ドラマが続々と放送を開始して反響を呼んでいるなか、1月15日、フジテレビの月9ドラマ『海月姫』の第1話がオンエアされる。


 累計発行部数440万部を超える東村アキコの原作コミックを実写ドラマ化する本作。同名の実写映画が2014年に公開されており、当時は能年玲奈(現・のん)が務めた主人公・倉下月海役を、今回のドラマ版では芳根京子が演じる。さらに、今回のドラマ版で誰が演じるのかが話題となっていたのが、“女装美男子”の鯉淵蔵之介役。映画では菅田将暉が演じた役であるが、ドラマでは瀬戸康史がこの役を務めることが、彼の女装した姿とともに発表され、話題を呼んだ。


 第1話では、瀬戸の登場シーンの大半が女装姿。瀬戸は本サイトのインタビュー(参考:瀬戸康史が語る、『海月姫』女装男子役への不安と自信 「自分がキレイに見える角度は狙っている」)にて、女装の際の役作りについて言及している。実際の瀬戸の女装姿は、初めて目にした際にはインパクトがあったが、第1話で完全に見慣れてしまうほど、他の女性キャラクターたちの中に違和感なく溶け込んでいた。登場するたびに瀬戸が身に纏うおしゃれなファッションもワンポイントになっている。メイクチーム、スタイリストチーム、照明、カメラ……『海月姫』制作チームが総力をあげて作り上げた、女装美男子・蔵之介の姿をぜひ、楽しみにしてもらいたい。


 “女装美男子”のほかにも、登場するキャラクターが皆、非常に個性豊かなのがこのドラマの特徴。芳根演じる倉下月海が暮らす天水館に住む女性は“尼~ず”と呼ばれ、オタク気質がある者たちが集っている。月海はクラゲを愛しすぎてしまった筋金入りの“クラゲオタク女子”。そして、枯れた中高年男性を好む嗜好を持つ枯れ専のジジ様(木南晴夏)や、鉄道オタクのばんばさん(松井玲奈)、三国志オタクのまやや(内田理央)、和物オタクの千絵子(富山えり子)というツワモノたちが住んでいる。


 なかでも、ばんばさんとまややの言動には、第1話からとても笑わせられた。ばんばさんを演じる松井自身も、役同様に生粋の鉄道オタク。様々な番組で鉄道好きを公言しており、名古屋市の「リニア・鉄道館」の特別親善大使に任命されたり、JTB時刻表の表紙を飾ったりと、もはや筋金入り。ドラマ内で鉄道に関して熱く語り出す松井の姿を見ると、まさにハマり役だと認識できた。ドラマの中では、ばんばさんは天然パーマでアフロのような髪型、まややは前髪が鼻にかかるくらいまで長いため、2人とも目が隠れていて全く見えない(本人たちの視界は良好)。まややは突如奇声を上げたり取り乱したりと、彼女の行動を目で追うのも大忙し。また、常に両手を前に出し奇妙な動きをするため、登場するたびにクスッとしてしまう。


 “オタク”という人物を演じる上で、彼女たちの演技の振り幅を楽しめるのも本作の醍醐味。普段はコンプレックスを抱え、落ち着いた小さな声で話し、少し地味なオーラを持った彼女たちだが、自分の好きなことを話すときは態度が一変。特に、月海がクラゲについて語り始めるときの早口で長ゼリフなシーンは、芳根の見事な演技力が光っていた。また、彼女たちは興奮すると一斉に話し出すため、誰が何を話しているのか、1回では聞き取れない場合があるかもしれないので、そこは要注意だ。


 登場人物たちには、様々な葛藤を抱えながら生きているという共通点がある。各々のコンプレックスをどう受け入れ、どう乗り越えていくのか。それが本作のテーマのひとつである。“シンデレラ・コメディ”としてコミカルに描きつつ、観る人にどのようなメッセージを響かせてくれるのだろうか。


(大和田茉椰)