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家族共有PCで「不倫の証拠」発見!  ログイン操作がなければ不正アクセスに該当せず

2018年01月15日 10:53  弁護士ドットコム

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不倫の証拠はあちらこちらに隠されている。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、「不倫の証拠」を家族共有のパソコンで見つけたという人が、証拠として使えるのかと相談を寄せた。


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相談者が悩んでいるのが、不正アクセスにならないのかという問題だ。相談者は「配偶者がメールサイトにログインしたまま放置していました。追加のログイン操作をせずにメールの中身を見ることができたのですが、これは不倫の証拠として使用しても問題ないでしょうか」と質問している。


相談者のように「ログイン操作をせずにメールの中身を見ることができた」場合には、不正アクセスには該当しないのだろうか。仮に「ログイン操作」をしていた場合には、不正アクセスに該当するのだろうか。中西祐一弁護士に聞いた。


●弁護士解説のポイント

・「今回のケースでは、不正アクセスに該当しない」と中西弁護士


・オンラインでIDやパスワードを無断入力すると「不正アクセス」に該当する


・不正アクセスで得た証拠は、証拠能力が否定される可能性も


●「不正アクセス」に該当しない根拠

「結論から言えば、相談者の場合には、不正アクセスには該当しません。不倫の証拠として有効なものだと言えます」


なぜ該当しないのか。


「不正アクセス行為の禁止等に関する法律第2条4項によると、『不正アクセス』とは、コンピュータ・ネットワークを通じて、他人のIDやパスワードを無断で入力するなどして、他人のコンピュータにアクセスすることだとされます。


今回の事例では、メールを閲覧する際にIDやパスワードを無断で入力したという事情はありません。また、仮に、共有PCのキーボードでメールソフトのIDやパスワードを入力していたとしても、『コンピュータ・ネットワークを通じての入力』には該当しません。従って、不正アクセスには該当しないと思われます」


●不正アクセスで得ると、証拠能力が否定される可能性も

では、もし、「不正アクセス」に該当する方法で配偶者の不倫の証拠となるメールを手に入れた場合、民事訴訟で証拠として利用することはできるのか。


「一般的には、違法な手段で手に入れた証拠であっても、原則として民事裁判で使用することは可能です。しかし、証拠の入手方法が極めて悪質であったり、それによって他人の人権が著しく侵害されたりするような場合は、証拠能力が認められず、民事訴訟で使用することはできないとされています。


不正アクセスに該当するような場合、即ち、コンピュータ・ネットワークを通じてのハッキングによって配偶者のメールを入手した場合などは、入手方法がかなり悪質であると考えられること、配偶者のプライバシーを侵害している面は否定できないことなどから、証拠能力が否定される可能性もあります」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
中西 祐一(なかにし・ゆういち)弁護士
金沢弁護士会所属。地元の方々の身近なトラブルの解決を目指し、民事・刑事を問わず幅広い分野の案件を取り扱っているが、その中でも、刑事事件には特に力を入れており、裁判員裁判や冤罪事件の国家賠償請求事件などにも積極的に関わっている。

事務所名:中西祐一法律事務所
事務所URL:http://www.nakanishi-law.net