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妻が同時に不倫した「2人の男」に慰謝料請求したい! 金額は倍増する?

2018年01月14日 10:23  弁護士ドットコム

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妻が「2人の男」と不倫をしているが、妻と離婚した場合、それぞれの男に対して慰謝料はどれくらい請求できるのかーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、「離婚に向けて現在水面下で証拠集めをしている」という人から、このような相談が寄せられた。


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相談者によると、相談者の妻の不倫相手は2人もいるそうだ。男性Aは妻子持ちで、妻との不倫期間は半年以上。もう一人の男性Bは独身で、妻との不倫歴は1年以上、宿泊旅行も2度行くなど関係の深さがうかがわれる。


相談者と妻の間には、未成年の子どもが2人。相談者は「妻からは慰謝料を取らず離婚したとして、それぞれの男に対し慰謝料としていくらぐらいの金額を請求するのが妥当でしょうか」と聞いている。1人ではなく、相手が2人だった場合、請求できる慰謝料の金額は異なるのか。1人の場合と比べて、倍増する可能性はあるのか。山本明生弁護士に聞いた。


●弁護士解説のポイント

・慰謝料請求の対象は、妻と「2人の男」


・今回のケースで慰謝料は、大体「200万円から300万円」


・不貞相手の人数によって比例的に慰謝料金額は増えない


●「不貞相手の人数によって比例的に慰謝料金額が増えることはない」

「結論から言えば、相談者は、妻と男性A、男性Bの計3人に対して慰謝料請求をすることができます。


妻の不貞行為により婚姻関係が破綻したという場合、夫には、妻と不貞相手との共同不法行為により精神的苦痛を被ったという損害が認められ、夫は、妻と不貞相手に対して、慰謝料を請求することができます。


そして、今回のように不倫相手が複数になる場合には、不貞相手それぞれに対し慰謝料を請求することができます」


慰謝料の金額については、どうか。


「慰謝料の金額については、婚姻期間や不貞期間、回数等様々な事情によって最終的には裁判所が判断しますが、大体200万円から300万円となることが多いです。


今回のケースでは、不貞相手が複数人いることからも悪質だと判断され、一般的な慰謝料より増額される可能性があるかもしれません。しかし通常、不貞相手の人数によって比例的に慰謝料金額が増えることはないため、不倫相手が複数人であっても、上記金額(200万円から300万円)の範囲内の話になるかと思います」


今回、相談者は妻に対して慰謝料を請求せず、不貞相手にだけ請求することを考えているが、それは可能なのか。


「可能です。共同不法行為者である妻と不貞相手の双方、またはいずれかに対して慰謝料を請求するかを決めることができます。


ですので、相談者が不貞相手にのみ慰謝料請求をし、かつ、不貞相手が妻に対して求償(もう一方の共同不法行為者にその負担分を請求すること)しないという場合には、妻から慰謝料を取らずに離婚することも可能です」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
山本 明生(やまもと・あきお)弁護士
大阪弁護士会所属。交通事故被害(死亡事故、重度後遺障害案件を含む)、相続、離婚など個人をとりまく身近なトラブルを多く扱っている。「話しやすく、分かりやすい弁護士であるべき」との信念に基づき日々活動している。
事務所名:山本・竹川法律事務所

事務所名:山本・竹川法律事務所
事務所URL:http://www.ytlo-jiko.jp/