2017年11月に行われたテストにウイリアムズF1から参加したロバート・クビカは、新しいタイヤに順応することに苦労していたという。これについてピレリのカーレーシング部門責任者であるマリオ・イゾラは、クビカはより多くの走行距離が必要であったと語っている。
F1への奇跡的な復帰を目指していたクビカは、アブダビで行われたテストで有力候補とされるロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキンと競うこととなった。このテストの後に、クビカ復帰の可能性は薄くなったとBBCのアンドリュー・ベンソンは主張する。
クビカがピレリの最新スペックのラバーに適応できずに苦労していたことに、ウイリアムズのスタッフが不安を覚えたことから、ランス・ストロールのチームメイトにはシロトキンが選ばれたと見られており、近いうちに発表があるという。
しかし、イゾラはクビカの能力とフィードバックを賞賛しており、新たなタイヤとコンパウンドでより多くの走行距離と経験を積む必要があったと話している。イゾラはモータースポーツ情報サイトのRACERに、以下のように語った。
「長期間にわたってF1に乗っていなかったとしても、ロバートは多くの経験を持つプロフェッショナルなドライバーだと私は信じている」
「彼はきちんと感じ取っていた。私がタイヤについての意見を求めたところ、彼はパフォーマンスやデグラデーション、ドライビングのしかたなどについて正確な考えを持っていた」
イゾラは、長期間レースから離れていたドライバーに対し、不慣れな特性にすぐさま順応することを期待しすぎたのだと懸念している。
「彼は6、7年にわたってF1には乗っていなかったのだし、ダウンフォースやタイヤなど多くの要素によって、彼がF1を離れたときのマシンと今のマシンは大きく異なるものになっている。彼は2011年の始めに、バレンシアでのプレシーズンテストで我々のタイヤを使ったことがあるので、まったくの初めてだというわけではない。(当時は)素早く順応することができていた」
「(同じ状況で)マシンに乗ったドライバーが、これまで多くのテストやレースに関わってきたドライバーよりも速いと思い込んではいけない。順応する時間を与えて、ポテンシャルをフルに見せてもらいたい。私は、彼(クビカ)は今でも速いドライバーだと信じている」