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ゴールデングローブ賞にゴージャスなドレスで登場したモデル“私が黒を着ないワケ”

2018年01月10日 21:03  Techinsight Japan

Techinsight Japan

「黒ずくめの抗議、何かがおかしくありませんか?」と独モデル
このたび開催された第75回ゴールデングローブ賞授賞式では、セレブたちの衣装が異例ともいえる黒づくめであったことが大きく報じられている。これはハリウッドに蔓延していたセクハラや性暴力に抗議するムーブメントの一環で、これからの活躍が期待される可愛い子役たちも黒のワンピースを選び、男性陣も多くが黒のワイシャツやネクタイを選んで登壇。称賛の声があがったものだが、実は事前の通達により暗黙の了解とされた“ドレスコード=黒”も、これを守らないセレブが3名いたことがわかった。

敢えて黒い衣装を着用しなかった3名とは、インド出身のジャーナリストであるメヘル・タトナさん(Meher Tatna)、女優のブランカ・ブランコさん(36)、そしてドイツ人モデルのバーバラ・マイヤーさん(31)。マイヤーさんが選んだのは淡い寒色のロングドレスで、贅沢に使用されているビーズやストーンがスポットライトをまぶしく反射させていた。裾広がりのオーガンンジー部分には繊細な刺繍とパープルの柔らかいフリンジがほどこされ、太ももから下はシースルーとなっているようだ。

気になるのはその理由。マイヤーさんなりの意思があって敢えてドレスコードを破ったのか、それとも人々の注目を集めたかったのか、はたまた所属事務所からドレスコードについて知らされていなかったのかと憶測が飛び交ったが、独メディア『SPIEGEL ONLINE』によれば彼女は敢えてそれに従わなかったとのこと。自分たちはファッションというものを通じて個性や意思を表現し、人々と喜びを分かち合うことが仕事であるとして、インスタグラムには以下のように綴っていたという。

「黒ずくめでセクハラ行為撲滅を謳うというのは、私の目には間違った方法のように映るのです。本題からどこかズレているように感じられます。」

「自分が着たいものを選んで着る。セクシーな装いもそう。女性にはこの自由のために長い年月をかけて戦ってきた歴史があるのです。」

「一部の不心得な男のせいで私達がそれを押さえつけるのではもったいない。自然な華やかさと輝きを持っているのなら私達はそれを存分に放つべき。自分たち“らしさ”を大事にするべきです。」

大物プロデューサーであったハーヴェイ・ワインスタインはすでに業界から追放されたが、ハリウッドではキャスティングにおいて大きな権力を持つ者が女優やモデルに迫り、セクハラ行為や性的関係を強要していたことが次々と暴露されている。またこの授賞式においてザック・エフロン、ユアン・マクレガー、ニック・ジョナス、キース・アーバン、ウィリアム・H・メイシー、ジョセフ・ファインズ、ライアン・シークレストなどがワイシャツやネクタイも黒を選び、女性陣の訴えに寄り添ってくれたことには「非常に心強い」との声があがっている。

すでに有名になった合言葉「#MeToo」。これに続く「Time’s Up」という新たな運動もこの授賞式を機に認知度を上げているが、対象となるのは何もハリウッドだけではない。エンタメ業界から一般の職場までセクハラ行為は世界のどこでも起きていることだとして、男女平等のクリーンな社会を築いていこうという大変意義のある活動である。また、枕営業は出世のための暗黙の了解の行為であり、美しさを武器に有名になりたいなどという不心得な女性がいるとしたら、そちらも排斥の対象であることを忘れてはなるまい。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)