ウイリアムズF1チームのチーフテクニカルオフィサーを務めるパディ・ロウは、チームがフォース・インディアに大きく差をつけられて2017年シーズンを終えたことに失望しているという。
ウイリアムズは昨シーズンのコンストラクターズランキングで5位を獲得したが、ライバルのフォース・インディアに100ポイント以上の差をつけられてしまった。ポイント差はロウの予想を上回るものだったが、彼はそれが実際の実力のバランスを表してはいないと考えている。
「昨年フォース・インディアは素晴らしい仕事をした。彼らを称賛すべきだ。すべてを平均すると、彼らのマシンは我々のものよりわずかに速かったと思うが、大きな差ではなかった」とロウはRACER誌に語り、以下のように続けた。
「昨シーズン、様々な場面で我々は速かったし、ある時には彼らの方が速かった。彼らはあのマシンでポイントを稼ぐという、素晴らしい仕事をしたのだ」
「その点では我々も良い仕事ができたはずだった。中団グループではラップタイムに大きな開きがなかったために競争が非常に激しく、日曜の決勝のたびにポイントを獲得することは、とても難しいと認識していた」
メルセデスを経て昨年ウイリアムズに再加入したロウは、チームが設立40周年を迎えた昨シーズンは、5位よりも上の順位を望んでいたと話す。
「我々は5位よりも上を望んでいた。つまり、4位になることができただろうかということだ。我々はそれを達成することができなかったので、ある意味では残念な結果だった」
「とは言え、中団グループの競争が非常に激しかったにも関わらず、我々は5位の座を守りきることができた」
必然的に、2018年の開発に焦点を切り替えるチームの決断のタイミングは、彼らのシーズンにとって重大な判断となった。
ロウは以前、ウイリアムズが昨シーズン中に「パフォーマンスの面ではフォース・インディアに対して不利になっていた」と認めている。シーズン中の開発において「彼らはより優れた仕事をした」と彼は付け加えた。
「ある時点で来シーズンのマシンへと焦点を切り替え、そこから大きな一歩を踏み出していかなければならない」
「中団グループの全チームが同じことを言うだろうと思う。『他のチームよりも前に行けるように、自分たちと他チームとの差をつけられないだろうか?』とね。我々はそれを目標にしているのだ」
「今いる環境に対して自分たちを調整していき、そこから作業をして先へ進めるようにするのだ。最初の年は多くのチャンスがあり、いくつか非常に満足のいく瞬間があった」
やりがいを感じた瞬間の一例として、ロウはフェリペ・マッサがフェルナンド・アロンソとの競り合いに勝利した場面をあげた。また、マッサが最後のホームレースであるブラジルGPでポイントを獲得したときも、ロウにとっては特筆すべき瞬間だったという。
「そうした瞬間は、これまで私が関わったレースの、どんな優勝にも引けを取らないほど素晴らしいものだった。とても楽しめたね」
チームはマッサの後任で、ランス・ストロールのチームメイトとなるドライバーをいまだ発表していない。ロバート・クビカのF1復帰のチャンスが薄れている現在、セルゲイ・シロトキンが最有力候補と見られている。