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「アロンソは過ちを犯そうとしている」F1とル・マンを掛け持ちするのは不可能とウエーバー

2018年01月10日 10:32  AUTOSPORT web

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トヨタのチームスタッフと言葉をかわすフェルナンド・アロンソ
F1キャリアの後、WEC世界耐久選手権に参戦した経験を持つマーク・ウエーバーが、フェルナンド・アロンソがF1に参戦しながらル・マン24時間レースに挑戦するとしたら、それは誤った判断であるとの考えを示した。

 マクラーレンのアロンソは、F1モナコGP、インディ500、ル・マンの世界三大レースを制し、“トリプルクラウン”を手にすることを目指している。今年にもF1と日程が重ならないル・マンに出場する可能性があると考えられている。

 しかしウエーバーは、ル・マンで好パフォーマンスを発揮するためには、F1と掛け持ちする形ではなく、耐久レースに専念する必要があると、親しい友人であるアロンソに対して警告した。

「(F1とル・マンを掛け持ちをするのは)間違いだ。ふたつのカテゴリーは全く別物だ」とウエーバーはイタリアのAutomoto.itのインタビューにおいて語った。

「どちらも、相当な量の精神的エネルギーを必要とする。F1に参戦している時には他のことに気持ちを向ける余裕などない。何年かル・マンで走ったからこそ言えることだ。僕がフェルナンドなら、やめておく」


 アロンソを「他のドライバーとはかけ離れた才能の持ち主」として高く評価するウエーバーは、今月、デイトナ24時間レースに初挑戦するアロンソが、苦もなく耐久レースという新しい環境になじむだろうと、予想している。それでもル・マンに十分な準備をすることなく臨むべきではないという。

「ル・マンに本気で取り組み、集中し、3週間前から取り組み、その年は他のことを忘れる。そうでなければダメージを受けるリスクがある」

「ル・マンは、レースの何日も前にスタートするんだ」

「日中に走り、夜間に走り、パレードに出席し、エンジニアとミーティングをし、チームメイトとどのように分担するか、時間のロスなくマシンの引き継ぎをするやり方などについて話し合う」

「精神的にすべてを注ぎ込む必要がある。それだけの価値があるかどうかを理解するという意味では、アロンソがデイトナに出場するのは正しいと思う」

「あらゆることを分析し、必要なことをすべて理解することだろう。その上で、彼は正しい決断を下すはずだ」

 2015年にはニコ・ヒュルケンベルグがフォース・インディア時代にル・マンに初挑戦し、勝利を収めた。しかしウエーバーは当時のヒュルケンベルグと今のアロンソでは状況が異なると考えている。

「(ヒュルケンベルグが所属していたのは)F1のトップチームではない。プレッシャーが全然違う」

「一方でル・マンではトップチームで走れたから、かなり楽な状況だった」