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世界ラリークロス:ミニ・スーパーカーが復活か。リアム・ドーランが再投入を計画

2018年01月09日 14:41  AUTOSPORT web

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2016年以来のWorldRX復帰となる『ミニ・RXスーパーカー』
かつてWorldRX世界ラリークロス選手権でも活躍した『ミニ・RXスーパーカー』が2018年のシリーズ復帰に向け再始動。元ドライバーを務めたリアム・ドーランが新たな参戦プロジェクトを計画していることがわかった。

 ラリークロスを始め、エクストリーム・モータースポーツの世界で長らく活躍を続けてきたリアム・ドーランは、GRCグローバル・ラリークロスの前身でもある"Xゲーム"で2度のゴールド・メダリストにも輝いたトップドライバーとして知られ、2016年までWorldRXドライバーとしても戦ってきた。

 そのドーランは、2018年シーズンに向けイギリスのコンストラクターで『ミニ・RXスーパーカー』の製作を手がけたJRMグループから3台のマシンと開発設備を購入。ドーラン自身が運営し、英国ラリークロス選手権などで戦ってきたリアム・ドーラン・モータースポーツ(LDM)でチーム運営と開発作業を引き継ぎ、2018年のシリーズ投入を計画している。

 2018年にWorldRX、ユーロRX、英国選手権のどのシリーズをメインに活動するかなど、詳細はまだ確定に至っていないものの、英国選手権でLDMに所属したスティーブ・ハリスは「どのイベントにも参戦可能で、希望者には売却することも、レンタルすることも可能だ」と話す。

「リアム(・ドーラン)と僕は一緒にこのプロジェクトに取り組んできた。彼はマシン(ミニ・RXスーパーカー)のポテンシャルと可能性を信じているし、僕は彼を信じている」とハリス。

「それが売却にせよ、レンタルにせよ、このマシンは大いに楽しめると思う。信じられないほどの速さを持っていることは間違いないからね」

 ドーランが初めてラリークロス競技に持ち込んだミニは、WRC世界ラリー選手権に参戦したWRカーを出自とするプロドライブ製のシャシーやフレームをベースとしたマシンで、2013年にはドイツ・ミュンヘンで開催されたXゲームを制覇。

 2014年後半にはそのプロジェクトをJRMが買い取り、2015年にはドーランを起用してWorldRXにスポット参戦を開始。その翌年にはフル参戦を果たしている。

 その活動を通じてラリークロス向けの最適化を進めたJRMは、当初搭載していたWRC用GRE(グローバル・レース・エンジン)の1.6リッター・ターボから、自社開発の2リッター・ターボへの換装を行うなど、開発を続けてきた。

「このマシンのパフォーマンスとキャパシティを誰よりも理解しているし、僕がラリークロスで最も成功したマシンでもあるからね」と語るのは、今回の再投入プロジェクトを率いるドーラン。

「ミニをドライブするのはいつだって楽しい。2016年のホッケンハイムでは準決勝で勝ってファイナルでは5位に入った。まだこのプロジェクトは最後まで完成していないんだ」

 そう語るドーランは、2016年夏にゲスト参加したノルウェーの"ゲートビル・フェスティバル"におけるデモランの際、飲酒運転であったことが問題視され、イギリスの自動車連盟から2017年のモータースポーツ・ライセンス停止命令を受け、約1年半を棒に振るという苦い経験もしている。

「もちろん、MSB(イギリスのモータースポーツ統括組織)に対して状況を説明し、関係者には謝罪も続けた。2016年シーズンの途中でJRMとの戦いを離れなくてはならず、本当に残念だった」と、当時を振り返ったドーラン。

「でもマシンは本当に進化の過程にあって、何の問題もなかった。ミニのシャシーは最高で、素晴らしい回頭性を誇っていた。いつもターンへの進入では自信を持ってドライブできたんだ」

「このマシンのドライバビリティこそが、速さと一貫性を生み出すカギだと信じている。2018年に向けてはエンジンを中心とした数々のアップデートも予定しているんだ」

「まだ確実なことは何もないし、今はチームのことだけに集中したいけど、また僕が運転席に戻ることだってありえる。ミニがどれだけの走りを見せられるか、できればみんなに証明して見せたいからね」