IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ開幕戦デイトナ24時間に先駆けて開催されている公式テスト『ロア・ビフォア・ロレックス24』は1月7日、2回のプラクティスと“予選セッション”が行われ、元F1ドライバーのフェリペ・ナッセ駆るウェーレン・エンジニアリング・レーシング、31号車キャデラックDPi-V.Rが総合トップタイムを記録した。
2018年から新たに実施されることになった“予選セッション”は1月25日に開幕するデイトナ24時間の本戦で各チームが使用することになるピットエリアおよびガレージを決定するもの。
各クラス15分の専有走行という実際の予選と同じフォーマットが組まれたこのセッションは午前のプラクティス終了からわずか10分後の11時25分、GTデイトナ(GTD)クラスからスタート。その後はGTル・マン(GTLM)クラス、最高峰のプロトタイプ(P)クラスの順に進められていく。
前日までの二日間で他を圧倒する速さをみせていたキャデラック勢は、この日も4台がトップ4を独占する圧巻のスピードを披露。なかでも光る走りをみせたのは6日に同テストを通じての全体ベストタイムをマークしている31号車キャデラック(ナッセ/エリック・カラン/マイク・コンウェイ/スチュワート・ミドルトン組)だった。
31号車キャデラックは朝のセッション6こそ総合5番手に留まったものの、予選セッションでは総合2番手につけたスプリット・オブ・デイトナ・レーシングの90号車キャデラックに0.231秒の差をつける1分35秒806を記録。全20台がエントリーしているPクラスで唯一の1分35秒台入りを果たしている。
トップ4を固めたキャデラック勢の後方では、これまで上位に進出してこなかったキャデラック以外のDPi勢が奮闘。デーン・キャメロン駆るアキュラ・チーム・ペンスキーの6号車アキュラARX-05が1分36秒988秒というタイムで総合5番手につけると、僚友の7号車アキュラも1分37秒231で総合6番手に入った。
さらに、この後方にテキーラ・パトロン・ESMの22号車ニッサンDPi、マツダチーム・ヨーストの55号車マツダRT24-Pがコンマ1秒以内の僅差で続いている。
フィル・ハンソン、ランド・ノリスとともにユナイテッド・オートスポーツの23号車リジェJS P217・ギブソンを駆るフェルナンド・アロンソは、予選でアタッカーを務め1分37秒515をマークするも総合12番手に留まった。
■新規参戦した3台目のNSX GT3がトップ5入り果たす
フォード、コルベット、ポルシェ、フェラーリ、BMWの5メーカーがしのぎを削るGTLMクラスはフォード・チップ・ガナッシレーシングの66号車フォードGT(ジョーイ・ハンド/ディルク・ミューラー/セバスチャン・ブルデー組)が1分43秒610というタイムでクラストップに。
クラス2番手はトップから0.030秒差につけたコルベット・レーシングの4号車コルベット。67号車フォードGTが3番手につけ、4番手にはポルシェGTチームの912号車ポルシェ911 RSRが入っている。
注目のBMW M8 GTEを走らせるBMWチームRLLは前日からさらにタイムアップを果たしたが、トップのフォードに1.4秒以上離される結果となった。
GTDクラスではテスト初日にトップタイムをマークしたGRT・グラッサー・レーシングチームの11号車ランボルギーニ・ウラカンGT3(ロルフ・イネイチェン/ミルコ・ボルトロッティ/フランク・ペレラ/リック・ブルーカーズ組)が1分37秒374というタイムでふたたびタイムシートの最上段を獲得。
44号車アウディR8 LMSを走らせるマグナス・レーシングがクラス2番手、ライト・モータースポーツの58号車ポルシェ911 GT3 Rが同3番手となった。
その後方ではマイケル・シャンク・レーシングの86号車アキュラNSX GT3と、新規参入チームのHART(ホンダ・オブ・アメリカ・レーシングチーム)の69号車アキュラNSX GT3がクラス4番手、5番手を獲得。これに3GTレーシングの15号車レクサスRC F GT3が同6番手で続いた。
3日間の公式テストを終えた2018年IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップは、1月25日~28日に開催されるデイトナ24時間レースを皮切りに約10カ月にわたるシーズンが幕を開ける。