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ソーシャルメディアを“解禁”したF1、2017年シーズンはテレビ視聴者数も増加傾向に

2018年01月07日 09:02  AUTOSPORT web

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F1は2017年から、SNSでの露出が大幅に増加した
リバティ・メディアがF1の経営権を握りデジタル分野に取り組んだため、F1のソーシャルメディア配信は2017年に大きな成長を遂げた。

 フォーミュラ・ワン・グループによると、F1はフェイスブック、インスタグラム、ツイッターでのフォロワー数が1190万人となり、前年に比べて54.9パーセントの増加を見せた。

 F1のソーシャルメディアにおける成長は、フォーミュラE、UEFAチャンピオンズリーグ、NFL、NBAのソーシャルメディアでの成長率をしのぐものとなった。

 しかしながらこうした2017年の成長は、F1にとって達成が容易なものであったことにも注目するべきだ。元F1最高権威者のエクレストンはデジタルプラットフォームを重視しておらず、彼が権限を握っていた時代にはソーシャルメディアへの露出が少なかったからだ。

 さらに、F1はインターネットに関してはいまだ黎明期にあり、ソーシャルメディアでのフォロワー総数では、UEFAチャンピオンズリーグ、NBA、英国プレミアリーグといったスポーツには及ばない。

 2017年はテレビ視聴者数も増加傾向にあり、F1の人気が高い20のマーケットでは6.2%の上昇が見られた。

 フェラーリが好調だったことにより、イタリアでは19.1パーセントの成長があった。一方で中国(42.2パーセント)、スイス(14.3パーセント)、デンマーク(14.1パーセント)、ブラジル(13.4パーセント)でも視聴者数の著しい伸びが見られている。

 フォーミュラ・ワン・グループは、2017年には少なくとも3億5230万人のユニーク視聴者が、一度はF1番組を視聴していると発表。視聴者数は2010年以来減少傾向にあったものの、2017年には下げ止まった。7600万人ものテレビ視聴者を抱えるブラジルは、F1で最大の市場となっている。

 しかしながらブラジルの視聴率は今年、打撃を受ける可能性がある。ブラジルはエマーソン・フィッティパルディ、アイルトン・セナ、ネルソン・ピケといったドライバーを生み出してきた。しかしフェリペ・マッサの引退により、この数十年で初めて、ブラジル人ドライバーがグリッドから姿を消すことになるのだ。

 F1の商業担当取締役を務めるショーン・ブラッチスは、リバティ・メディアが「テレビやデジタルプラットフォームでのファン数が増加したことに、意を強くした」と述べ、以下のように続けた。

「昨シーズンの取り組みの中心は、我々のプラットフォームを通してファンの体験を改善することにあった。世界中のファンがF1のメディアとの関わりを深めている場面を見られたことは、心強い」

「我々の取り組みは続いていく。従来の体験と新たに作り出されるもの両方に関して、ファンは2018年に重大な変化を見ることになる。F1ファンになるのには、良いタイミングだ」