2017シーズンのFIAヨーロピアンF3選手権を戦った佐藤万璃音は、12月のイベリア半島集中テストを無事に終えて帰国。年末年始を忙しく過ごす18歳の高校生ドライバーから新たな報告があった。
「皆さま、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます」
「さて、僕は昨年12月にイベリア半島でドイツ・モトパークとともに集中テストに臨みました。ご存じのとおり2017シーズンを一緒に戦ってきたチームです」
「ポルトガルのアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベ、スペインのシルクイート・デ・ヘレスとシルクイート・デ・カタルーニャ・バルセロナと、合計8日間にわたり徹底的に走り込みました。もちろん、2018シーズンに向けたテストです」
「アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベでは、僕にとっては懐かしくもあり忌々しくもあったカートコースを眺めてきました」
「あれは2012年の『Rotax Max Grand Finals』。予選ヒートを順調に終えて、総合5番手でプレファイナルに臨みました。そこで好スタートを決めてトップに立ったのですが、数周後に接触してスピン。世界一に手が届いていたにもかかわらず、まさかの結果に終わる悔しい過去がよみがえりました」
「そしてイベリア半島集中テストの締めくくりとなるシルクイート・デ・カタルーニャ・バルセロナ。期間中はグラノリェルスという町に泊まりました」
「バルセロナ市内からクルマで約50分、サーキットまでクルマで約10分。チームの定宿ではあったのですが、なぜか僕の部屋だけ日本のビジネスホテルも真っ青の狭さで後ろへひっくり返りそうになりました。まあ、シャワーを浴びられてベッドで寝られるだけ幸せですけれど……(汗)」
「シルクイート・デ・カタルーニャ・バルセロナでのテストは、2日走行、1日休日、2日走行という日程。テストの内容はこちらに掲載されているので、興味のある方はぜひ読んでください」
「ちなみにモトパークの5台とプレマの5台が走った最終日、僕は1分38秒180のタイムで“P1”でした(汗)」
■テストの合間にバルセロナ観光。世界遺産サグラダ・ファミリアも
「テストの合間の休日にはバルセロナ市内へ行きました。ホテルに籠ってスマホでゲームしていても仕方ありませんからね」
「ホテルからグラノリェルス駅まで徒歩で約20分、グラノリェルス駅からバルセロナ市内の駅まで電車で約30分、そこから目的地まで徒歩で約30分。わざわざ1時間以上もかけて行った先は、もちろん日本料理屋さんです」
「たしかにスペイン料理はとても美味しいですよ。でも、朝昼晩とスペイン料理ではさすがに飽きてしまいます」
「ディナーはもちろんランチも予約したほうが無難という日本料理屋さんで、僕は午後1時からの開店待ちを試みました。でも、さすがにこれはフライング気味だったかなと思いました。開店待ちしているお客さんは僕以外にひとりしか居なかったからです(汗)」
「しかし実際に入店すると次から次へと来客があって、つねに僕が心掛けている“5分前行動”はやはり正解でした」
「お店の名前は『Can Kenji』さん。僕が選んだ20ユーロを少し超えるくらいのコースは、空豆豆腐や鮭の照り焼きなど数品に加えて、握り寿司一人前とデザート。いずれもヤバすぎるくらいに美味しく、卒倒しそうになりました」
「思わずネギトロ巻きを追加注文して、これまた後ろへひっくり返りそうになりました。板前さんを含めて店員さんの多くが日本人で、やはりバルセロナは最高です」
「お腹も膨れたところでバルセロナ市内も少しだけ観光しました。まずは蝋人形博物館へ行きましたが閉館時間だったので、やむなく港へ足を伸ばしました。ショッピング・モールで“極度乾燥(しなさい)”の店をのぞいたり、港の桟橋で海鳥と戯れたり、ランブラス通りでパフォーマーを眺めたり……」
「でも、さすがにテスト続きで疲れていたので早めにホテルへ戻りました」
「そういえば、『Can Kenji』さんへ行く前にサグラダ・ファミリアもじっくり眺めました。これまで何度も遠くから眺めた経験こそありましたが、間近で写真を撮ったのはおそらく初めてかもしれません」
「クリスマス前だったからでしょう、教会の周囲にはそれらしい飾り付けの品を売っている店が多かったですね。まるで熊手を売っている日本の酉の市みたいな雰囲気でした」
「バルセロナ市内を束の間堪能し、テストを良い感じで終えたこともあり、軽い足取りで帰国。自動車運転免許証取得や学校のレポート作成など、なにかと忙しい年末年始を過ごしました」
「なお、2018シーズンに向けた僕自身のレース活動に関しては、そう遠くない時期に発表します」
「僕がふたたびサーキットへ戻るのは2018年3月。シーズン前のテストはポルトガル、ハンガリー、オーストリア、イタリアを予定しており忙しくなりそうですが、全力で走れるその日がいまから待ち遠しくて仕方ありません」