FIA会長ジャン・トッドが、F1は他のカテゴリーでも使用できる“グローバル・エンジン”の導入を検討すべきかもしれないと発言した。
この“グローバル・エンジン”構想は、アメリカのインディカーを含む多数のオープンホイール選手権や、ラリー、ツーリングカー、プロトタイプ・スポーツカーなどで同じベースエンジンを使用するというものだ。
2009年に同様の提案が議論され、FIAは複数のカテゴリーで共通のエンジン規則を導入することが可能かどうかの分析を、イギリスのエンジニアリングコンサルタント会社リカルドに依頼した。しかし、さまざまなシリーズのオーガナイザーたちがコストと実用性について懸念を示したため、この提案が実現に移されることはなかった。
「現在、モータースポーツの各カテゴリーがそれぞれのレギュレーションを持っている」とトッド。
「多少のシナジーを持つことが可能かどうか、検討してみるべきだと思う」
2017年10月末、FIAとF1は、2021年の新たなエンジンレギュレーション案を示した。このなかには、コストを制限し、チームやサプライヤーの新規参入を促すため、標準パーツを増やすという項目が含まれていた。
トッドは、F1以外にも範囲を広げることで、より大きなメリットを得られるかもしれないと考えている。
「簡単なことではないが、このエンジンをモータースポーツの他のカテゴリーで使用することが可能かどうかを考えるべきであろう」
トッドは特にFIA世界耐久選手権WECのLMP1カテゴリーに照準を合わせているようだ。2018年、F1エンジンはシーズンを通して3基しか使用できず、より一層、耐久性の向上が求められる。
「耐久選手権でこのシナジーを使用するという将来を期待することは理にかなっているのではないか。ちょうど(エンジンが)カバーする距離は同じだ」とトッドは語った。
フェラーリはパワーユニットの標準化を促進する動きに反発し、F1撤退をちらつかせており、今回のトッドの発言に対する反応が注目される。