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反撃か。防衛か。スーパーGTセパンテストに見る3メーカーの2018年エアロ

2018年01月04日 19:52  AUTOSPORT web

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ジェンソン・バトンのドライブでセパンを走るホンダNSX-GT。3メーカーのGT500マシンに新たなエアロが装着された。
2017年12月18日から、休息日をはさみ4日間行われたマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われてきたミシュランタイヤ主催のスーパーGTタイヤメーカーテスト。このテストではオートスポーツweb、オートスポーツNo.1472でもお届けしたとおり、2018年仕様のエアロを装着した3メーカーのGT500マシンが走行した。

 すでにファンの皆さんならご存知のとおり、2014年からスーパーGT500クラスではDTMドイツツーリングカー選手権と車両規定を統一化。17年からは新たにダウンフォース削減を目標とした新レギュレーションが導入されている。その規定初年度となる17年は、レクサスLC500がチャンピオン獲得をはじめ5勝を飾った。

 ライバルのホンダNSX-GT、ニッサンGT-RニスモGT500勢はそれぞれ2勝、1勝を飾ったものの、2018年に向けてレクサス勢との差を詰めるのが目標なのは間違いない。12月18日から行われていたセパンテストは、メーカーによるプライベートテストゆえ、取材は基本的に撮影のみとなったが、外観からも各メーカーの反撃、そして王座防衛に向けた姿勢が見える緊張感あふれるテストとなった。まだ完全にこれで18年仕様が確定というわけではないが、3車種の外観から17年仕様からの変化、そしてその他にも気になる部分があったので、写真で見てみよう。

 なおおさらいをしておくと、現行のGT500車両では“デザインライン”と呼ばれる前後フェンダー周辺、ホイール中心線から下部のバンパー部分、『ラテラルダクト』と呼ばれるサイド下部、リヤフェンダー下部のみ改良でき、ボディ上面は市販車のラインを保たなければならない。今回のセパンテストで走行した99号車NSX-GT、23号車GT-Rにはカモフラージュ模様が施されているが、その“見られたくない部分”がデザインラインにあたる。

■レクサスLC500
 王座防衛に挑むレクサスLC500は、セパンテストでは開発車両となる093号車、19号車、36号車という3台が走行した。そのうち、093号車がラテラルダクトを含め新エアロに。残る2台は、バンパー左右のカナード装着部を含めたフロントが新しくなっていた。リヤは3台とも同じ状態だったが、17年仕様から外観上は大きく変化していない。

 フロントバンパー左右は、2017年にはエクボのような形状となっており、そこに小型のカナードが付いていたが、セパンで走行した3台はそのエクボ状のものが無くなっている。また、ラテラルダクトが新しくなっていたのは093号車だ。

 ラテラルダクト後方は17年までとそれほど大きな変化は外観からは分からないが、前方はユニークな形状でフロントから入った空気を効率的に排出しようという狙いが分かる。

■ホンダNSX-GT
 2017年は2勝を飾ったほか、予選では印象的な速さをみせつけてきたホンダNSX-GT。今回のセパンテストでは、99号車が輸送の関係もあったか、99号車がホンダレーシングサンクスデーで走行し、その姿のままの状態でセパンに登場した。

 フロントで特徴的なのは、これまで市販車同様のディテールとなっていたフロントバンパー下部が大幅にカットされ、開口部が広げられたところだろう。また、フロントフェンダー前部外側には、フィンが1枚新たに追加されている。

 ラテラルダクトも大幅に形状が変化しており、これまでは比較的シンプルな形状に複数のフィンがつく形だったが、18年仕様は開口が大きくなり、17年までとは異なるアプローチが見て取れる。また、リヤフェンダーロワの跳ね上げも丸みを帯びた形状となり、17年までとは異なっている。

■ニッサンGT-RニスモGT500
 セパンテストで走行した3車種のうち、最も大きな変化が見られたのがGT-Rだ。カモフラージュが非常に巧妙であるため分かりづらいが、フロントバンパー左右のカナード上に、17年までとは異なるスプリッターのようなフィンが設けられている。

 また、特徴的なのはラテラルダクト。17年仕様は16年までからの継続性を感じられるデザインだったが、18年仕様からは前部にスリットが設けられ、多くのフィンで流れを整えるデザインが見て取れる。

 また、GT-Rではお馴染みと言えるギザギザ形状の“シェブロンノズル”がリヤのホイールハウス内側に設けられているほか、リヤフェンダー上部のフェンスは2枚設けられる。さらにリヤフェンダーロワは大きく跳ね上げられ、4枚のバーチカルフィンが装着されている。

■タイヤ、ホイールも重要なテスト材料
 外観だけでも非常に多くの変更点が見られた2018年仕様のGT500マシンたち。ただ、これ以外にもセパンテストでは新たなトライが見られた。

 ホンダでは99号車、レクサスでは093号車、ニッサンでは24号車と、3メーカーそれぞれに装着されたのは、レイズの新型ホイール。サイドに『RAYS』のロゴが3カ所入っており、外観上もこれまでのものとは異なっている。

 また、ヨコハマはタイヤのサイドウォールにナナメに突起が入った、『サイドフィン』と呼ばれる形状を備えたタイヤをテストに投入。これまでFR車で使われていたが、今回は19号車LC500、24号車GT-R、そして16号車NSX-GTにも装着されている。

 レクサスが今季も速さ、強さをみせるのか、それともライバルが逆襲するのか……!? 12月のセパンテストでは、各メーカーともに手ごたえと課題を得た様子だ。2月のセパンテストからは、さらに本格的なテストがスタートしていくだろう。